- DJTトークンは、あるウォレットが一度に200万ドル分を売却したことで90%値下がりし、時価総額は5500万ドルから300万ドルに減少した。
- 「ファーマ・ブロ」として知られるマーティン・シュクレリ氏は以前、バロン・トランプ氏のDJTトークン作製を手伝い、ソーシャルメディア上でその宣伝に貢献したと主張していた。シュクレリ氏は現地時間8月6日の値下がりについてはバロン・トランプ氏のせいだとしているようである。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏をテーマに、ソラナ(Solana)ベースで作製されたDJTトークンは、現地時間8月6日に特定のウォレットが一度に200万ドル(約2.9億円、1ドル145円換算)分を売却した後、90%値下がりし、瞬く間に時価総額が5500万ドル(約79.8億円)から300万ドル(約4.4億円)に減少した。
DJTトークン全体の20%を保有していたこの「4UGm6」というウォレットは、今回の取引から15500 SOLを手に入れた。その持分はその後、4つの異なるウォレットに転送されたと暗号資産(仮想通貨)ソーシャルアプリケーションの@0xppl_は説明する。
DJTトークンは6月上旬に発行され、共和党のドナルド・トランプ大統領候補とその息子バロン・トランプ(Barron Trump)氏に直接関係しているとの噂が立つ中、瞬く間に注目が集まり、時価総額を伸ばした。
X(旧ツイッター)上にある暗号資産関連のグループは当時、このトークンが規格外の急成長をしていたことから、その背後に誰がいるのか不思議に思っていた。現地時間6月18日、「ファーマ・ブロ(Pharma Bro)」としても知られるマーティン・シュクレリ(Martin Shkreli)氏は、当初は関与を否定していたにもかかわらず、バロン・トランプ氏と共にDJTトークンを作ったと主張した。同氏は、バロン・トランプ氏がトークンを発行するのを手伝い、Xでその普及を手伝ったと述べている。
現地時間6月19日ないしその前後、ブロックチェーンについての調査チームは、DJTのテレグラム(Telegram)・チャンネルが、シュクレリ氏の支援する別のトークンと同じ管理者であることを突き止めた。
一方、DJTトークンおよびシュクレリ氏が手掛ける別プロジェクトSHOGGOTH.aiの両方で大口保有者となっている少なくとも1名の人物は、シュクレリ氏がこのトークンを公に支援していた際に利益を上げていた。ある大口DJTホルダーは現地時間6月19日頃、数百万ドル相当のSHOGGOTHトークンを保有するウォレットから約8万3千ドル(約1200万円)相当のDJTトークンを売却している。
トランプ氏側からの公式発言は無し
トランプ陣営は、本件およびバロン・トランプ氏のDJTトークンへの関与について公式にコメントしていない。
そうした中、シュクレリ氏は現地時間8月7日の値下がりについてはバロン・トランプ氏のせいだとしているようだ。シュクレリ氏は、DJTトークンを一切保有しておらず、このトークンの流動性プールを管理する秘密鍵へのアクセス権を共有していないと繰り返し主張した。
「バロンに聞いてくれ、私は秘密鍵もトークンも持っていない」と、DJTトークンの値下がりを示すグラフと共にコメントを求められたシュクレリ氏は、Xの投稿で述べている。
同氏はXで別の投稿に対して「トランプ氏の公式トークンという理解でその作製を手伝ったが、こうなるとは思ってもみなかった」と返信している。
|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Shutterstock
|原文:Trump-Themed ‘DJT’ Token, Issued by Martin Shkreli, Suddenly Dives 90%