- ビットコインはTradingViewによると、協定時間(UTC)8日は約12%上昇。2022年2月28日以来の上げ幅となった。
- 米国のポジティブな雇用データにより景気後退懸念が弱まり、リスク資産は安定した。
- 市場関係者は、6万1800ドルと5万4000ドルを短期的に注目すべき重要な水準としている。
ビットコイン(BTC)は、5日の下落からの回復ペースを加速させている。
TradingViewによると、ビットコインは8日だけで約12%上昇し、6万1720ドルとなった。これは、2022年2月28日に14%超上昇して以来、UTCベースで最大の1日あたりの上げ幅。暗号資産の時価総額は11%上昇して2兆1100億ドル。こちらも2022年11月10日以来の最大の増加幅となった。
ほとんどの上昇は、米国の取引時間中のことで、ポジティブな米国の新規失業保険申請件数データが景気後退懸念を和らげ、米国株式市場を押し上げた。ウォール街の恐怖指数VIXは23まで下落し、暗号資産を含むリスク資産にポジティブなサインを送った。さらに重要なことは、日銀が短期的な利上げを否定したことで、リスク回避の円高が止まったことだ。
Farside Investorsによると、8日、ビットコインETFには1億9460万ドルの資金が流入、7月22日以来となる1億ドル超えとなった。ブラックロックのIBITだけで、1億5760万ドルを集めた。
日本銀行が金利を引き上げた後、株式とビットコインは下落に転じ、円キャリートレードの巻き戻しが誘発され、米国経済への懸念が高まった。5日には売り圧が非常に強くなり、ビットコインは一時5万ドルまで下落した。その1週間前には7万ドル近くまで上昇していた。
ブロックチェーン分析企業Santimentによると、5日の下落時にクジラ(ビットコインの大口保有者)はビットコインを買い集めた。
「8月5日と6日、ビットコイン・クジラの取引は4月第1週以来の最高水準となった。10ビットコイン〜1000ビットコインを保有するウォレットの保有高を見ると、ビットコインが5万ドルを割った時に、急速な買い集めが進んだ」とSantimentはXに投稿した。
今後の動向について、FxProのシニアマーケットアナリストのアレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏は、強気派が打ち破るべきレベルは6万1800ドルと述べた。
「6万1800ドルを上回る水準で取引を終えることができれば、価格は6万7000ドルまで急速に回復する可能性がある。この水準を下回れば、7月と8月の安値5万5500ドル付近まで戻るシナリオが想定される」と同氏はCoinDeskに述べた。さらに、6万1800ドルは50日と200日の単純移動平均が交わる価格と付け加えた。
投資アドバイザーのTwo Primeによると、価格が5万4000ドルのサポートを維持している間は強気基調が続き、地政学的な問題とFRBの政策が次の大きな価格変動の鍵を握っているという。
「5万4000ドルを主要なサポートエリアとして引き続き注視しており、次いで5万ドルが続いている。今のところ、これらのレベルは維持されており、ビットコインがこのエリアに達するたびに根強い需要が見られる」とTwo Primeは顧客向けメモに記している。
さらに同社は「現在、イスラエルとイランの紛争がエスカレートするかどうか、また、米国政府が両国の地政学的なリスクと連邦準備制度の金融政策を抑制するために介入するかどうかを見守っている」と付け加えた。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Hans Eiskonen/Unsplash
|原文:Bitcoin’s 12% Price Rally on Thursday Was the Biggest Since February 2022