オプティミズム、関連ブロックチェーン間の相互運用性を推進
  • 関連ブロックチェーンネットワークのエコシステムを構築することに成功しているオプティミズム(Optimism)は現在、ネットワークすべてをより緊密につなげようとしている。
  • 「スーパーチェーン(Superchain)はひとつのチェーンのように感じられる必要がある」と、オプティミズムチームはブログに書いている。

より密接なつながりを

イーサリアム・レイヤー2ブロックチェーンのオプティミズムは、そのテクノロジーを使用する新しいプロジェクト、有名なところではコインベースのベース(Base)などを誘致することに成功している。そしてオプティミズムは今、関連ネットワークをより密接につなげようとしている。

オプティミズムは、ユーザーがイーサリアム上でより安価に取引を行えるようにすることを目的として構築されたもので、様々なオプティミズムチェーン間の断片化の問題に対処する、ネイティブな相互運用性(インターオペラビリティ)ソリューションのロードマップを8月12日に発表した。

この発表は、ライバルのポリゴン(Polygon)のAggLayerや、ZKsyncブロックチェーンの開発会社であるマター・ラボ(Matter Labs)のElastic Chainなど、より多くのレイヤー2エコシステムが独自の相互運用性ソリューションをリリースするなかで行われた。

オプティミズム自身のエコシステムは、コインベースのベースチェーンやワールドコイン(Worldcoin)のワールドチェーン(Worldchain)のように、開発者がオプティミズムのテクノロジーに基づいて独自のレイヤー2ネットワークを開発できるカスタマイズ可能なツールキットであるOP Stackのおかげもあり、誕生以来、驚異的な成長を遂げている。

データサイトL2Beatが追跡している上位20のレイヤー2ブロックチェーンのうち、9つがオプティミズムのエコシステムに属している。これらを合計すると、約160億ドル(約2兆3520億円、1ドル147円換算)の総資産が預けられており、単独で最大のレイヤー2ネットワークであるアービトラム・ワン(Arbitrum One)が誇る151億ドルを上回っている。

チームがOP Stackを使用して独自のネットワークを立ち上げる際、彼らはオプティミズムのスーパーチェーンの理念、つまりオプティムズムのエコシステムに貢献するという一連の経済的・文化的な合意に署名することになっている。

オプティミズムの主要な開発会社であるOPラボ(OP Labs)の共同設立者であるマーク・タインウェイ(Mark Tyneway)氏は、「スーパーチェーンを理解するのに一番わかりやすいのは、人類を向上させ、資本主義をアップグレードするという共通の目標に向かって連携している一連の人々や組織と捉えることだと思う」と述べた。

タインウェイ氏によれば、「スーパーチェーンに参加しているすべてのチェーンは、シーケンサーを稼動させることで得た収益の一部をオプティミズムガバナンスに支払い、オプティミズムガバナンスは、遡及的に公共財の資金提供を行う」のだが、これはつまり、オプティミズムのエコシステムに貢献する人々にトークンや助成金を配布することを意味する。

イーサリアムへの依存

成長を阻害するハードルのひとつは、スーパーチェーンに参加する各ネットワークが、資産を移動させるために互いに通信するのにイーサリアムに依存していることである。これによって、資産の移動がゆっくりで、コストのかさむものになる傾向がある。

この問題に対処するため、オプティミズムは独自のネイティブな相互運用性レイヤーを提供し、スーパーチェーン内のネットワーク同士がより簡単に通信できるようにしようとしている。

オプティミズムチームは、ブログで次のように説明している。

「スーパーチェーンはひとつのチェーンのように感じられる必要がある。これを達成するために我々は、ユーザー、資産、開発者がネットワーク内外でシームレスに移動する統一されたスーパーチェーンを構築しようとしている」

オプティミズムチームでは、2025年初頭までにメインネット上でネイティブな相互運用性ソリューションを稼働させる計画だ。それまでにチームではまず、開発者ネットワーク上で相互運用性レイヤーをまもなくローンチし、その後引き続いてテストネットワーク上でもローンチする予定である。

「テクノロジーとしての相互運用性は基本的に、あるチェーンから情報を読み取り、その情報を別のチェーンで処理することを可能にする」と、タインウェイ氏は説明した。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:OPラボの共同設立者マーク・タインウェイ氏(OP Labs)
|原文:Optimism Pushes for ‘Interoperability’ Between Affiliated Blockchains