グレイスケール、MakerDAOのMKRに投資するファンドを立ち上げ
  • グレイスケール(Grayscale)はMakerDAOのガバナンストークン「MKR」を対象とした新しい単一資産ファンドを立ち上げる。
  • この新しいクローズドエンド型ファンドには、適格な個人と法人の認定投資家がアクセスできる。

ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のETF(上場投資信託)や、その他の暗号資産(仮想通貨)投資ファンドを手がける資産運用会社グレイスケールは8月13日、分散型レンディングプラットフォームMakerDAOのガバナンストークン「MKR」に投資する新しいファンドを発表した。

MKRはこのニュース発表後1時間で5%以上上昇し、2100ドルを記録。過去24時間では8%近く上昇し、ほぼ横ばいのCoinDesk 20 Indexをアウトパフォームしている。

プレスリリースによると、グレイスケースMakerDAOトラスト(Grayscale MakerDAO Trust)は、適格な個人や法人の認定投資家がアクセス可能で、同社の他の単一資産ファンドと同じ構造となっている。

つまり、クローズドエンド型ファンドであり、直接の引き出しは不可能であるため、流通市場でのファンドのシェアと原資産との間に価格乖離が生じる可能性がある。

MakerDAOは、トークン保有者のコミュニティ、つまり分散型自律組織(DAO)が主導する分散型金融(DeFi)において最大規模のプロトコルのひとつである。MKRトークンを保有する人は、意思決定に参加し、提案に対して投票することができる。

MakerDAOでは、暗号資産と国債をはじめとするRWA(現実資産)を70億ドル以上保有し、時価総額50億ドルと市場で3番目の規模を持つステーブルコイン、ダイ(DAI)を発行している。

MakerDAOは現在、創設者ルーン・クリステンセン(Rune Christensen)氏による造語である「エンドゲーム」と呼ばれる大改革の真っ只中で、これにはMKRとDAIのアップグレード版の発行も含まれている。

グレイスケールは先週、分散型人工知能(AI)プロジェクトであるビットテンソル(Bittensor)プロトコルのネイティブトークン「TAO」と、レイヤー1ブロックチェーンのスイ(Sui)のネイティブトークン「SUI」の単一資産ファンドを新たに立ち上げたばかりだ。

同社はまた、ほぼひと月前には、ニア(NEAR)、レンダー(RNDR)、ファイルコイン(FIL)を含む暗号資産のバスケットに投資する分散型AIに特化したファンドも開設している。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Nikhilesh De/CoinDesk
|原文:Asset Manager Grayscale Introduces Crypto Fund for MakerDAO’s MKR