米政府が6億ドル相当の押収ビットコインを移動、売却ではない可能性も

アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)のブロックチェーンデータによると、米国政府は8月14日、シルクロード関連の押収ビットコイン(BTC)1万枚を取引所大手コインベース(Coinbase)の機関投資家向けプラットフォーム、コインベース・プライム(Coinbase Prime)に移した。

この送金を開始した暗号資産ウォレットは、2週間前に「米国政府:シルクロード司法省押収資産」とタグ付けされたウォレットから約6億ドル(約882億円、1ドル147円換算)相当のビットコインを受け取った。

速報:シルクロード関連のBTC1万枚(5億9350万ドル相当)がコインベース・プライムに移動した。

ウォレット「bc1ql」は2週間前、1万枚のBTCを既知の米国政府ウォレットから受け取った。このBTCはコインベース・プライム入金ウォレット「33J」に送られた。

取引所への入金は通常、資産を売却する意思の表れだが、今回は保管上の理由で送金が行われた可能性がある。

司法省の一部門である米連邦保安局は先月、大口デジタル資産を「保護・取引」するためにコインベース・プライムとの提携を発表した。中央集権化された同プラットフォームに送られた後のことについては、ほとんど情報がない。

ビットコインは14日の日中、6万1000ドルから5万9000ドルへ急落したが、この値下がりは今回の送金が行われる前に起こった。

司法省は2022年、5万ビットコイン以上を押収し、ジェームズ・ジョン(James Zhong)氏を逮捕したと発表した。同氏は、2012年にダークウェブ市場「シルクロード」の取引システムを操作したと政府が訴えた後、電信詐欺の罪を認めた。

裁判所に提出された書類によると、確認された政府による最後のシルクロード資産の売却は2023年3月で、9861枚のビットコインを2億1600万ドルで売却した。

政府は提出書類の中で、同年中に残りの資産を4回に分けて売却する計画を示したが、それ以降の売却に関する発表はなかった。

アーカムによると、米国政府に関連するウォレットには現在、120億ドル相当のビットコインと、それよりは少ない額の他の押収された暗号資産が保管されている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:U.S. Moves $600M of Silk Road Bitcoin to Coinbase Prime, but Not Necessarily to Sell