日本で初めて開催されたイーサリアム開発者会議「デブコン5」。2019年10月8−11日の4日間にわたって開かれ、世界中から3000人以上の開発者らが集まった。日本らしい軽食や演出がみられたほか、海風が吹きぬけるなかで開かれたセッションも。写真で振り返ってみよう。
和傘に和菓子、たこ焼きで日本らしい“OMOTENASHI”
デブコン5は大阪・南港のATCホールで開催された。イーサリアム財団が主催するイベントとしては世界最大級、年1回と限られた開催だけに、会場は国際色豊か。あちこちで日本らしい“OMOTENASHI(オモテナシ)”の光景が見られた。
軽食やジュースが用意されたコーナーには、和菓子やいなり寿司、たこ焼きなどが並んだが、これら“日本らしい”食べ物は早々に空になっていた。着物も展示され、来場者は日本文化に触れていた。
ちなみに記者がラムネを手に取り開けた瞬間、炭酸の泡が吹き出て机を濡らしてしまった。海外から来た参加者に「そうなんだ。みんなそうなる」と慰められて複雑な気持ちに(その人はパイナップルジュースを手にしていた)。
満員にも「スケーラビリティ問題」?
セッションには多くの人が詰めかけ、熱心に講演やディスカッションに耳を傾けていた。会場によっては、椅子が足りず床に座る人も。すりガラス越しに人の多さが分かるほどだった。
こうした満員の会場を、ブロックチェーンの処理性能が低い問題になぞらえて「スケーラビリティ問題だよ」と、開発者らしいジョークをつぶやく人もいた。また大阪湾を背にした円形の演説場も用意され、海風が吹きつける中でも人々が話に聞き入っていた。
和太鼓に盆踊り。伝統と革新
2日目には和太鼓も披露されたほか、最終日にはデジタル盆踊りも披露された。DJが盆踊りをクラブ風にアレンジした楽曲を自在に操り、照明が目まぐるしく動く会場の中ではドローンが飛びまわっていた。参加者のなかには踊る人も少なくなく、さながらクラブかライブハウスかのようだった。
日本初開催のデブコンを裏側で支えたのは、国際色豊かなボランティアたち。すべての日程が終了し、参加者がいなくなった会場では、主催者であるイーサリアム財団の宮口礼子エグゼクティブ・ディレクターが、壇上のスタッフ全員に感謝の言葉を述べた。最後にボランティアたちは、記念写真を撮ったり、お互いにねぎらいの言葉をかけあったりしていた。
文・写真:小西雄志
編集:濱田 優