ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなど機関投資家のビットコインETF保有加速

ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーをはじめとする米投資銀行大手は、第2四半期末までにビットコインETFの最大の保有者となっていた。顧客がビットコインETFへのアロケーションを増やしたためだ。

SEC(米証券取引委員会)への提出書類によると、ゴールドマン・サックスは6月30日時点で顧客資産として4億1800万ドル(約620億円、1ドル149円換算)相当のビットコインETFを保有していた。4月、同行ウェルス・マネジメント部門の最高投資責任者は、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対して、同行の顧客はこの資産クラス(=暗号資産)にあまり関心を示していないと語っていた。

モルガン・スタンレーは、顧客からの要望に応えてビットコインETFの提供を開始すると伝えられていたが、6月30日時点の保有額は1億8800万ドルで、第1四半期末からは8700万ドル減少した。

2行は、ビットコインETFとしては最大規模を誇るブラックロックのiShares Bitcoin Trust(IBIT)を多く保有しているが、フィデリティのWise Origin Bitcoin ETF(FBTC)やInvesco Galaxy Bitcoin ETF(BTCO)なども保有している。

「機関投資家によるビットコインETFの採用が加速していることは明らか」と、ETF Storeのプレジデント、ネイト・ジェラチ(Nate Geraci)氏は述べた。

「一般的に、機関投資家は極めて厳格なデューデリジェンスプロセスを採用する傾向があり、どのような投資でも採用までの期間が長くなる。機関投資家がビットコインETFに参入するスピードには驚かされる」

いくつかの著名ヘッジファンドも、ビットコインETFへの投資を継続しており、例えば、第2四半期に保有額を3万9000口から2万6000ドル口まで減らしたものの、資産家イジー・イングランダー(Izzy Englander)氏率いるミレニアム・マネジメントもビットコインETFに投資している。

だが注目すべきは、第1四半期末時点でブラックロックのIBITに1200万ドルを投資していたポール・シンガー(Paul Singer)氏率いるエリオット・マネジメントが6月30日までにそのポジションから完全に撤退していたことだ。

第1四半期にビットコインETFへの投資で注目を集めたウィスコンシン州年金基金は、第2四半期にブラックロックのIBITを44万7651口追加購入。一方、3月末時点で6370万ドル相当を保有していたグレイスケールのGrayscale Bitcoin Trust(GBTC)はすべて売却した。第2四半期末時点、同州が保有するビットコインETFは9890万ドル(約147億円)相当となっている。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:ゴールドマン・サックスのデジタル資産部門グローバル責任者、マシュー・マクダーモット氏((Shutterstock/CoinDesk)
|原文:Goldman Sachs Joins Morgan Stanley in Holding Bitcoin ETFs as Institutional Interest Grows: 13F Wrap