- ビットコイン価格と、大統領選で共和党が勝利するオッズとの、現地時間6月1日から8月15日における3日単位での変化を比較すると、2つの変数の間に明確な相関関係がないことが示されている。
- FalconX によれば、今後数週間で多くのことが変化する可能性がある。
最近のビットコイン(BTC)の価格動向と共和党の指名する米大統領候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏 の当選確率との間には強い正の相関関係があるという見方は根強いが、市場データではそうでないことが示されている。
トランプ氏が6月中旬にビットコインのマイニング業者と会談して以来、暗号資産(仮想通貨)市場の専門家は一貫して、同氏の予測市場におけるパフォーマンスとビットコイン価格を関連づけてきた。同氏が7月の暗殺未遂事件を生き延び、今月初めに民主党から立候補したカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏が予測市場で盛り返す中でビットコインが押され気味となり、この見方は強まった。
しかし、プライムブローカーのファルコンX(FalconX)が、現地時間6月1日から8月15日におけるビットコイン価格の3日単位での変化と、ポリマーケット(Polymarket)で示されるトランプ氏当選のオッズの3日単位での変化を分析したところ、2つの変数の間に明確な傾向や相関関係は見られないことがわかった。
X軸は、6月1日から8月15日までのビットコイン価格の3日単位での増減率を示す。また、Y軸は、共和党勝利に対するオッズの増減を表している。なお、データは12時間ごとにサンプリングされたものである。
赤い点は、ポリマーケットにおいてトランプ氏の大統領就任という可能性が急上昇した6月29日から7月29日までの期間を表す。青い点は、民主党が勢いづいたと呼ばれる期間を表す。灰色の点は、6月1日から8月15日におけるその他の期間を表す。
赤い点のパターンは散在しているように見られ、共和党勝利のオッズ変化とビットコイン価格の変化との間には関係がないことを示しています。青と灰色の点でも同様のパターンが示されている。
「興味深いことに、2024年6月1日から8月15日までの分析期間全体を通して、選挙に関するオッズとビットコイン価格との間には目立った関係が見られなかった。予想されていたよりも弱い関係となっている理由の1つは、米国の金融政策の方向性、今後の供給過剰に関する懸念など、価格に影響を与える要因が多岐にわたることに求められるのではないだろうか。これは、我々が以前にも強調していたことである」と同社の調査責任者、デビッド・ローワント(David Lawant)氏はCoinDeskへのメールで述べた。
ドイツのザクセン州による積極的な売却や、閉鎖された取引所であるマウントゴックス(Mt. Gox’s)の債権者による供給過剰への懸念など、いくつかの逆風が6月以来ビットコインの値上がりを抑え、共和党勝利のオッズ変化を覆い隠していると報じられている。
それでも、現在ハリス氏が暗号資産に近付いてきているため、目前の選挙が主となってビットコイン価格をけん引する可能性もある。
「もちろん、11月5日までに多くのことが変わる可能性がある。選挙日が近づくにつれ、選挙ニュースが価格変動の主因、あるいは市場を決定づける力としての様相を呈するかどうか、予測市場のデータから明らかになるのを見守るのは興味深いことだ」とローワント氏は述べた。
|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:Trump’s Election Odds Are Not The Dominant Driver of Bitcoin’s Price, Data Show