- ナイジェリア当局が3800万ドルの暗号資産を凍結する動きを見せた。当局は、国内のインフレに対する抗議活動を支援するために送金されたと主張している。
- ナイジェリアは、世界最大の取引所であるバイナンスが自国通貨の弱体化に寄与したとして、暗号資産とバイナンスに対する取り締まりを行ってきた。
アフリカで最も人口の多い国であるナイジェリアの裁判所は、同国における生活費の上昇に対する抗議活動を支援するために送金されたと当局が主張する5000万ドルの暗号資産(仮想通貨)のうち、3800万ドル(約57億円、1ドル150円換算)近くを凍結する命令を出した。
プレミアム・タイムズ(Premium Times)が決定の写しを引用して13日に報じたところによると、首都アブジャにある連邦高等裁判所が、経済金融犯罪委員会(EFCC)の要請に応じて、#EndBadGovernanceのタグを利用した抗議活動の主催者らが所有しているとされる4つのウォレットを凍結する命令を出した。
国家安全保障担当顧問であるヌフ・リバドゥ(Nuhu Ribadu)氏は、ボラ・ティヌブ(Bola Tinubu)大統領が招集した国家評議会を含む会合で、「政府は抗議活動に対して寄付された、複数の暗号資産ウォレット宛ての5000万ドルを追跡できた。そのうち3800万ドルが含まれる4つのウォレットをブロックすることに成功した」と述べたとパンチ(Punch)が報じた。
ピープルズ・ガゼット(Peoples Gazette)によると、問題の暗号資産アドレスの残高はゼロで、使用された履歴がないという。
リバドゥ氏もEFCCも、CoinDeskのコメント要請にまだ応じていない。
ナイジェリアでは生活費の上昇に対する抗議活動が行われている。同国の通貨であるナイラは、1年以上にわたりドルに対して下落しており、インフレは28年ぶりの高水準である33.2%に押し上げられた。ナイラの惨状の一因は暗号資産取引だと当局は主張している。
今年これ以前に、ナイジェリア中央銀行のオラエミ・カルドソ(Olayemi Cardoso)総裁は、暗号資産取引所バイナンス(Binance)が昨年、追跡不可能な形で260億ドル(約3兆9000億円)を国外に流出させることを許し、税収に打撃を与えたと主張した。この主張が一連の出来事を引き起こし、米国市民でバイナンスの幹部であるティグラン・ガンバリャン(Tigran Gambaryan)氏が、紛争についての協議のためにナイジェリアに招かれた際に身柄を拘束される結果となった。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Nigeria Court Freezes $38M of Crypto Allegedly Sent to Support Protests in the Country: Reports