DMMグループが、AIとブロックチェーンを駆使した地図データの米ハイブマッパー(Hivemapper)社と提携し、いま話題となっている「DePIN」事業を日本国内で始める。
DMMのグループ会社で、ブロックチェーンとその関連技術を活用した事業開発を行うDMM Cryptoは19日、ハイブマッパーとのパートナー契約の締結を発表し、2社が共同で行う実証実験の内容を明らかにした。
ハイブマッパーはカリフォルニア州サンフランシスコ市に本社を置く企業で、ブロックチェーン業界で注目されている「DePIN(Decentralized Physical Infrastructure Networkの略語)」と呼ばれるサービスを開発している。
DePINは日本語で「分散型インフラネットワーク」となり、特定のコミュニティの中で活動・貢献する参加者にトークン(暗号資産)を報酬として与え、物理的なインフラネットワークを構築するというもの。
ハイブマッパーがブロックチェーンの「ソラナ(Solana)」を基盤に開発したサービスでは、自動車を運転する個人と事業者が、専用のマッピング機器(ダッシュカメラ)を使って、精度の高いデータを提供する。ドライバーはデータ取得・提供の報酬として、トークンの「HONEY」を獲得する。ドライバーが運転中に収集したデータ(画像)を元に、地図はAIによってリアルタイムに更新される。
今回締結したパートナー契約の下、DMM Cryptoは日本と日本以外の地域でダッシュカメラ「Hivemapper Dash Cam」を販売する代理店となり、ハイブマッパー・フリート事業の運営に参画する。
DMM Crypto ✕ Hivemapperの実証実験の中身
DMM Cryptoが公開した発表文によると、2社が進める実証実験は3つある。
1.ハイブマッパーの機能を利用した一般ドライバー参加型の「Drive-to-Earn(運転をしながらトークンを取得する)」事業
2.運輸、配送事業と連携して、職業ドライバーの待遇改善の取り組み
3.自動車メーカー・輸出業者と連携したフリート(法人が所有する複数台の車両)事業の国内外での拡大
DMM Cryptoは2023年1月に設立されたDMMのグループ企業で、ブロックチェーンを基盤とするゲームや、その関連技術のNFT(非代替性トークン)などを活用した、いわゆる「Web3」事業を開発している。
ブロックチェーンの「Oasys」を基盤に、DMM Cryptoは独自チェーンの「DM2 Verse」を開発。同社のWeb3事業プロジェクトである「Seamoon Protocol(Seamoonは日本語でクラゲ)」を走らせている。このプロジェクトでDMM Cryptoは、独自トークン「SMP」を発行し、ブロックチェーンゲームの開発を進めていく。
当面は「GameFi(ゲームとトークン獲得を融合させたアプリケーション)」を中心とした事業開発に注力していくが、社会課題の解決に繋がる「B-to-B」事業やファイナンスサービス(金融事業)なども作り上げていく計画だ。
|文:CoinDesk JAPAN編集部
|編集:佐藤茂
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