米大統領選を見据えたビットコインオプション、約500億円の建玉を集める
  • トレーダーたちは、11月4日の米大統領選挙の4日後に満期を迎えるビットコインオプションに3億4500万ドル(約504億円、1ドル146円換算)をロックした。
  • ウィンターミュート(Wintermute)によると、建玉の分布は強気なセンチメントを示している。

米大統領選が暗号資産(仮想通貨)業界にどのような影響を与えるかについて推測を巡らせているトレーダーたちは、選挙のタイミングで満期を迎えるビットコイン(BTC)オプションに数百万ドルをロックした。

いわゆる「選挙満期オプション」は、11月4日の米大統領選の4日後に決済される予定で、1カ月前にデリビット(Deribit)で取引が開始された。データソースのAmberdataによると、当記事執筆時点で、建玉、つまり未決済のオプション契約数のドル換算額は3億4583万ドルだった。

コールオプション(損失は限定され、上昇時には無限の利益を得られる)が建玉全体の67%を占め、残りは、価格下落に対する保護を提供するプットオプションが占めた。プット・コール・レシオは0.50未満。

言い換えれば、コールはプットの2倍にのぼり、選挙結果への強気な期待を反映している。

「このような選挙に特化した取引は、選挙が暗号資産市場にどのような影響を与えるかを予測することで、投資家に関心の高まりを利用する手段を与える。現在のプット・コール・レシオは0.50で、プットの2倍のコールが取引されており、強気のセンチメントを示している」とアルゴリズム取引会社ウィンターミュート(Wintermute)は指摘した。

権利行使価格8万ドルのコールオプションが1番人気(Deribit Metrics)

権利行使価格8万ドルのコールオプションが最も人気があり、3900万ドル超の建玉を集めている。大まかに言えば、建玉は主に7万ドルから14万ドルまでの高い権利行使価格のコールに集中している。これは、トレーダーが選挙日付近で過去最高値を更新することを期待している証拠だ。

一方、4万5000ドルのプットオプションには3900万ドルがロックされている。

「コールオプションの建玉が8万ドルと10万ドル前後の権利行使価格に集中していることは、市場参加者がビットコインの潜在的な上昇に備えてポジションを取ってとっていることを示唆している。一方、4万5000ドルという低い権利行使価格のプットが存在することは、ある程度のヘッジやダウンサイドに対する保護を示唆している」とウィンターミュートは述べている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:米大統領選を見据えたビットコインオプションの建玉(Amberdata)
|原文:U.S. Elections-Linked Bitcoin Options Draw Nearly $350M in Open Interest