かつてソラナ(Solana)ブロックチェーン上で大きな力を誇っていたが、有罪判決を受けた詐欺師のアブラハム・アイゼンバーグ(Avraham Eisenberg)氏によって壊滅的な被害を受けた分散型暗号資産(仮想通貨)取引所(DEX)のマンゴー・マーケッツ(Mango Markets)は、数々の証券取引法に違反したという容疑について、米証券取引委員会(SEC)と和解する準備を進めている。
マンゴー・マーケッツを管理するマンゴーDAO(Mango DAO)は8月19日、同組織が数十万ドルの罰金を支払い、保有するMNGOトークンを破棄し、他の取引所からの上場廃止を求める「SEC和解提案」の投票を開始した。
SECはまだこの提案を受け入れていない。しかし、もしこの投票が可決され(すでに可決に十分な票数を得ている)、SECがこの提案を受け入れた場合、マンゴー・マーケッツの将来は極めて不透明なものとなる。
SECとの和解はもちろんのこと、トークンの上場、買い戻し、債務の返済まで、あらゆることについて投資家が投票するために使用するMNGOガバナンストークンが廃止された場合、マンゴー・マーケッツの日常的機能がどのように存続するのかは明らかにはなっていない。
マンゴー・マーケッツは、トレーダーのアブラハム・アイゼンバーグ氏による「高収益の取引戦略」から立ち直るのに苦労してきた。2022年10月、アイゼンバーグ氏はプロトコルから1億1000万ドル(約160億円、1ドル145円換算)を流出させ、分散型金融(DeFi)における犯罪に対する歴史的な詐欺と不正操作の刑事裁判が行われることとなった。
この裁判の直前、CoinDeskはマンゴー・マーケッツが 「規制当局の調査」に直面していると報じた。19日に発表された提案では、その調査の一部が明らかになった。SECに加えて、マンゴー・マーケッツは司法省と商品先物取引委員会(CFTC)からも調査を受けている。
19日の和解案では、SECの調査だけが問題になっている。提案によると、マンゴーDAOは未登録の証券を販売したという容疑に直面している。また、マンゴー・マーケッツの開発元であるマンゴー・ラボ(Mango Labs)は、無認可ブローカーとして行動したという容疑をかけられている。
さらに関連企業であるBlockworks Foundation(メディアグループのBlockworksではない)も、規制当局からの同様の申し立てに直面している。
今回の和解案では、マンゴーDAOは不正行為を認めることも否定することもなく、22万3228ドルの罰金を支払うことが提案されている。マンゴーDAOは現在、200万ドル近いUSDコイン(USDC)と、実質的な価値がすぐには明らかでない他のさまざまな資産を保有している。
SECはコメントの求めに応じなかった。
2021年夏にソラナが高騰した際、マンゴー・マーケッツは7000万ドルのMNGOトークンを一般に販売して話題になった。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Solana’s Former Top Decentralized Crypto Exchange Faces SEC Securities Violations