ブロックチェーンとIoTを組み合わせたセキュアなプラットフォームの提供を目指すジャスミーは8月21日、二酸化炭素排出権(カーボンクレジット)取引所「NCCX」(ベータ版)を開設したと発表した。
NCCXは、一般社団法人ナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアム(NCCC)認証のボランタリークレジット、日本政府が認証する「J-クレジット」、さらに海外のボランタリークレジットなどに対応しているという。9月下旬の正式公開に向けた先行リリースのベータ版だが、正式公開時と同じ手続きで、参加登録を受け付けている。
カーボンクレジットの取引は、透明性、トレーサビリティが重視され、ブロックチェーンの活用が期待されている分野だ。カーボンクレジットをトークン化し、グローバルに取引できるデジタル市場の構築を目指して、多くのスタートアップが開発に取り組んでいる。
国内では2023年10月、東京証券取引所がJ-クレジットを売買する取引所を開設、まSBIホールディングスも「Carbon EX」を共同設立している。ブロックチェーン関連では、三菱UFJ信託、プログマ、JPYC、KlimaDAO、オプテージは「Progmat Coin(プログマコイン)」基盤を活用して発行されるステーブルコイン「JPYC(信託型)」をカーボンクレジットの決済に活用するための共同検討を開始している。
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NCCXもブロックチェーンを活用することで、カーボンクレジットの取引における信頼性と流通性の向上を目指している。リリースには「本取引所ではブロックチェーン技術を活用することで、データの改竄や二重計上などの諸課題を解決し、クレジット取引の迅速化・効率化を目指しています」とあり、これにより「これまでの法人間の取り引きに留まらず、一般消費者に向けて流通する事で、消費者参加型の環境対策を実現します」と記されてる。
さらに、一般的な取引所形式となる「NCCX」に加えて、地方自治体向けの地域版取引所となる「わがまちカーボンクレジット」の提供も予定しており、今後は地方自治体などとの連携による取り組みも行っていく予定という。
|文:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:リリースより