- 分散型金融(DeFi)は復活を遂げつつあり、暗号資産市場への預け入れ総額(TVL)は2025年に史上最高を記録する見込みだとステノ・リサーチは報告書で述べている。
- ステノは、金利がDeFiの魅力に影響を与える最も重要な要因だと述べた。
- 今年のステーブルコインの供給拡大と現実世界の資産の成長も、DeFi市場にとっては追い風だと報告書は述べている。
「分散型金融(DeFi)の夏」が復活しつつあり、暗号資産エコシステムでの預け入れ総額(TVL)はまだ2021年のピークを大きく下回っているが、早ければ2025年前半には史上最高まで上昇する可能性があるとステノ・リサーチ(Steno Research)は8月23日の報告書で述べた。
DeFi市場は米ドル中心であるため、DeFiの差し迫った復活は金利、特にアメリカの金利に関連していると報告書は述べている。
「金利はDeFiの魅力に影響を与える最も重要な要因だ。投資家がDeFi市場でよりリスクの高い機会を求める傾向があるかどうかを決定するからだ」とシニア暗号資産アナリストのマッズ・エバーハルト(Mads Eberhardt)氏は書いている。
ステノは、2020年の最初のDeFiの夏は、COVID-19の発生に対応したアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き下げの直後に訪れたと指摘する。
しかし、金利だけがDeFi復活の原動力ではない。暗号資産ネイティブな要因も働いている。1月以来約400億ドル(約5兆8000億円、1ドル=145円換算)拡大したステーブルコインの供給増は、「ステーブルコインはDeFiプロトコルのバックボーンである」ため、極めて重要だとステノは述べている。
「金利が下がると、ステーブルコインを保有する機会費用が減り、ステーブルコインの魅力が高まる。これは、このような環境におけるDeFiの幅広い魅力とよく似ている」とエバーハルト氏は書いている。
トークン化された株式、債券、商品などの現実世界の資産(RWA)の継続的な成長も重要な要因であり、これらの資産が今年に入ってから50%急増していることは、DeFi などのオンチェーン金融商品に対する需要が堅調であることを示している。
DeFiに最も広く使用されているブロックチェーンであるイーサリアムネットワークの手数料が下がったことも、分散型金融へのアクセスを容易にしていると報告書は付け加えている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:DeFi Summer Is Making a Comeback, Steno Research Says