テレグラム、CEO逮捕へ異議、法の遵守を主張──TONの値下がりは鈍化
  • テレグラムは、全てのEUにおける法律を遵守していると声明を出した。
  • 同社は、そのコンテンツ管理の実践において絶えず改善に取り組んでいると述べた。

メッセージングアプリのテレグラム(Telegram)は、欧州連合(EU)の法律を完全に遵守しており、コンテンツ管理の実施については「業界基準」の範囲内であると述べた。

「テレグラムはデジタルサービス法などEUの法律を遵守しており、その管理は業界標準の範囲内で、絶えず改善している」と同社は声明で述べた。「テレグラムのCEO、パベル・デュロフ(Pavel Durov)氏に隠すことは何もなく、頻繁にヨーロッパを行き来している。」

この声明は、同社CEOがフランスの空港で地元当局に逮捕された翌日に出されたものである。デュロフ氏の逮捕は、同プラットフォームによる管理の実態を問題とした刑事告訴の結果であり、フランスの法執行機関は同社の実践が不十分であると判断している。

検察当局による正式な起訴状はまだ公表されていないが、初期のメディア報道によると、検察当局はテレグラム上で組織された、または見られた犯罪行為についてデュロフ氏とテレグラムに帰責しているとのことだ。

テレグラムは声明で「あるプラットフォームまたはその所有者が、そのプラットフォームを悪用されたことについて責任を負っていると主張するのは不合理だ」と述べた。

「ドゥロフ氏の拘留に関する報道の後、我々は直ちにフランス当局に拘留理由の説明を求め、同氏の権利保護と領事の連絡とを提供するよう要求した。今日現在、フランス側はこの問題に関してこれまでのところ協力を避けている」と駐仏ロシア大使館は声明を出した。

デュロフ氏による過去の投稿に前兆

テレグラムは声明の中で、デュロフ氏による2024年3月の投稿に対してリンクを貼っている。この投稿では、管理の仕方を原因として、同社が成長する上で何らかの課題に直面するだろうとデュロフ氏が予測している。

「大手のソーシャルメディアアプリはどれも、掲載されたコンテンツが原因で批判の対象になりやすい。その管理が従来メディアから一貫して賞賛されている大手ソーシャルプラットフォームを、私は思い浮かべることができない」と当時の投稿で同氏は記している。

「メタ(Meta)の管理に関するメディアの報道は、その歴史のほとんどにおいて、特に否定的なものだった。興味深いことに、メタは1 兆ドル(約144兆円、1ドル=144円換算)以上の評価額を達成した最初のソーシャルメディア企業でもある」と同氏は続けた。「テレグラムは、従来のプラットフォームを追い抜く前に、同様の成長段階を経る必要があるだろう。」

暗号資産(仮想通貨)コミュニティの多くの人々がデュロフ氏への支持を表明している。トロン(Tron)のジャスティン・サン(Justin Sun)氏は、「十分なコミュニティの支援を得られ、分散型で作成される」ことを条件に、デュロフ氏の釈放に向けて取り組む分散型自律組織(DAO)に対して100万ドル(約1億4400万円)を寄付すると申し出ている。

|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Christian Wiediger/Unsplash
|原文:Telegram Says it is Compliant With EU Digital Services Act After Founder Pavel Durov’s Arrest