ビットコイン月足チャート
- 今月8月は長い下ひげを付けた月足になることが予想されています。先月まで900万近辺にサポートがあり底堅い推移となっていましたが、今月に入り外国為替市場で円高が急速に進んだ影響もあり、対円のビットコイン価格は一時700万円まで下げる場面がありました。一方、今月中盤から買い戻しが入り、現在は900万円台を回復しています。足元で買い戻しの流れとなっていますが、今月も陰線となると3ヶ月連続でマイナスとなります。月足は3ヶ月移動平均線(3EMA)を下回っており、下落トレンドが示唆されています。
ビットコイン週足チャート
- 週足は現在8週移動平均線(8EMA)近辺で推移しています。7月の最終週に強い売りの流れが発生し、8月の初週には700万円を記録。この2週間で最大33%ほど下落する相場となりました。大きな下落の反動から700万円を付けた後は3週連続の陽線を記録しました。安値からは買い戻しの流れとなっていますが、移動平均線近辺で上昇が休止しています。来月以降の上昇トレンドの発生には950万円の回復が鍵となるでしょう。
ビットコイン日足チャート
- 日足は足元で2週間移動平均線(14EMA)の上位で推移していますが、8月初旬は強い下落トレンドから取引が始まりました。8月2日始値の976万円から5日の安値700万円にかけて下落はかなりインパクトのある動きとなりました。大きく下落した反動から8月8日には移動平均線近辺まで買い戻され、ボラティリティの大きい展開がありました。その後は900万円近辺がレジスタンスとなり上値が重くなる動きもありましたが、先週900万円突破したことで現在は900万円近辺がサポートとなっています。今月は今週の土曜日が最終日となっていますが、900万円の上位を維持することが来月以降の相場にとって重要になります。日足は移動平均線の上位で推移し、月足や週足とは異なり短期的に強気なチャートが形成されています。
マイナーのネットポジションはプラスに
- 上記は30日間のマイナーのポジションの変化を表したものです。市場の供給元であるマイナーが保有する現物はここ3ヶ月で最も積み上がった状態となっています。同指標が上昇している時期は、上昇トレンドが発生しやすい傾向があります。マイナーのネットポジションは8月中旬から上昇しており、ここ3週間の上昇の一因となっています。同指標がプラスで推移する間は底堅い相場が予想されます。
取引所保有のステーブルコインが高値圏で推移
- 同指標は取引所が保有するステーブルコインの推移を表しています。ステーブルコインの上昇は買い圧力の増加を示唆します。足元で同指標はここ3ヶ月間の高値圏で推移しており、現在は買い需要が強いと考えられます。8月5日の相場に大きな下落があった時期から同指標は上昇しており、相場の下支えとなりました。今後も取引所保有のステーブルコインが上昇傾向となるなら来月は上昇に転じる可能性が高いでしょう。
まとめ
7月までは底堅い動きがあったことから8月は上昇することを予想しましたが、市場環境の変化から相場が崩れる場面も見られました。月足や週足の長期チャートでは弱気トレンドが示唆されていますが、日足の短期チャートでは底堅さも見られます。短期的なテクニカルでは900万円台を維持できるかが、来月以降の相場のポイントとなるでしょう。900万円台を維持できない相場となれば、来月も上値が重い展開が予想されます。8月前半に相場が下落した後にマイナーのネットポジションや取引所保有ステーブルコインは上昇傾向に転じており、需給面の改善が見られました。この指標が引き続き上昇するかも注目です。
|文:真田雅幸/bitbankマーケット・アナリスト
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
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