- 暗号資産市場は、イーサリアム現物ETFのローンチ以降、苦戦しているという。
- シティはビットコインとイーサリアムの現物ETFは過去1カ月で純流出していると指摘した。
- ステーブルコインは例外で、時価総額が伸び続けているという。
7月23日にアメリカでイーサリアム(ETH)現物ETF(上場投資信託)の取引が開始されて以来、暗号資産(仮想通貨)市場は苦戦していると、シティは8月24日の調査報告書で述べた。
同行は、他のリスク資産もこの期間低迷しているが、暗号資産は非農業部門雇用者数(NFP)後の反発以降、ボラティリティ調整後でアンダーパフォームしていると指摘した。NFPは、通常毎月第1金曜日に発表されるアメリカの雇用統計だ。
「ここ数週間、暗号資産の需要は枯渇している」と報告書は述べ、ビットコイン(BTC)とイーサリアムの現物ETFは先月、純流出したことを付け加えた。
デビッド・グラス(David Glass)氏率いるアナリストは「これらの資金流出はまた、検索での関心が比較的低く、ネットワークの活動が落ち着いていることと一致している」と書いている。
この需要の減退は、8月に一時マイナスに転じた先物の資金調達率(ファンディングレート)にも表れているという。
シティは、アメリカ経済の「ソフトランディングか、ハードランディングか」についての評価が定まるまで、ETFのフローは失望を続ける可能性があると述べた。
ステーブルコインは、8月の市場調整にもかかわらず供給が増え続けており、暗号資産におけるこの最近のネガティブなトレンドに逆らっていると報告書は付け加えた。
ステーブルコインは暗号資産の一種で、通常は米ドルに固定されているが、ゴールド(金)など他の通貨・資産に固定されているものもある。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Market Has Struggled Since Spot Ether ETFs Started Trading: Citi