トランプ氏、ハリス氏との討論会欠席の可能性は低い:予測市場ポリマーケット

ドナルド・トランプ氏は、9月10日の対立候補カマラ・ハリス氏との討論会を辞退する可能性を示唆して騒ぎを呼んでいるが、予測市場ポリマーケット(Polymarket)のトレーダーたちはどうやら、そのような騒ぎは単なる雑音だと考えているようだ。

「トランプ氏は9月10日にハリス氏との討論を行うか?」という問いに対する「イエス」シェアは、米東部時間8月27日正午時点で84セントで取引されており、市場はトランプ氏が討論会に参加する可能性を84%と見ていることを示している。

ポリマーケットのベット(賭け)はポリゴン(Polygon)ブロックチェーン上のスマートコントラクトに書き込まれる。各シェアに対しては、予測が当たれば1ドル相当のUSDコイン(USDC:通常ドルと1対1で取引されるステーブルコイン)が支払われ、当たらなければ何も支払われない。

トランプ氏が9月10日にハリス氏と討論するかを尋ねるポリマーケットでの契約

この契約は26日に発表され、確率は一時72%まで下がったが、おおむね80%台で取引されている。

確かに、この契約に賭けられている金額は2万2000ドル(約317万円、1ドル144円換算)と少額で、ポリマーケットで数億ドルの賭け金を集めている「誰が大統領選に勝つか?」という契約に比べれば微々たるものだ。当記事執筆時点では、こちらの契約はトランプ氏がわずかにリードしている。

トランプ氏が2024年米大統領選に勝つかを尋ねるポリマーケットでの契約

トランプ氏は25日、討論会を主催するABCテレビの公平性に疑問があるため、討論会に参加するかどうか迷っていると示唆した。

「なぜ私があのネットワーク(ABCテレビ)でカマラ・ハリスと討論しなければならないのか?」と、トランプ氏は自身のSNSに投稿した。

今朝、ABCフェイクニュースを見た。三流レポーターのジョナサン・カールによるトム・コットン(彼は素晴らしかった!)へのばかげた偏向インタビューと、トランプ嫌いの人たちのパネルディスカッションだ。そこで私は、なぜ私があのネットワークでカマラ・ハリスと討論しなければならないのか、と自問した。パネリストのドナ・ブラジルは、ペテン師ヒラリー・クリントンにしたように、マルキスト候補に質問するのだろうか?ABCを率いるカマラの親友も同じようにするのだろうか?ジョージ・ステファノプロスは今どこでぶらぶらしているのか?彼も関わってくるのか?彼らには答えなければならない質問がたくさんある!ハリスはなぜ、FOX、NBC、CBS、さらにはCNNの討論会を辞退したのか?乞うご期待!

ポリマーケットのベッター(賭けをする人)たちは、候補者たちのマイクが討論会中にミュートされるかどうか、40%の確率で疑っている。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、相手候補が発言中にマイクをミュートするかどうかが交渉のネックになっているという。「ハリス陣営は両方のマイクをオンにすべきだと主張し、トランプ陣営は6月にCNNで行われたトランプ氏とバイデン大統領との討論会の時のようにマイクをミュートにするよう働きかけている」と同紙は報じている。

ABCの討論会でマイクがミュートされるかを尋ねるポリマーケットでの契約

Dune Analyticsのデータによれば、先月の出来高が4億1400万ドルと記録的な高さとなったポリマーケットでのマイクに関するベットの賭け金は、7000ドル未満と比較的少額である。

もうひとつの重要な注意点は、米国商品先物取引委員会との和解の下、ポリマーケットは米国ユーザーをブロックすることを義務付けられており、同プラットフォームで予測をしている人たちは、遠くの地からデータを分析しているということである。

一方で、これらの投資家たちが少しでもお金を出しているという事実には、それなりの重みがある。彼らには、徹底的なリサーチをしなければ、金銭的な打撃を受けるリスクを負うというインセンティブがある。

ドル建てで決済される米国の規制対象プラットフォーム、カルシ(Kalshi)では、選挙日までに大統領討論会が3回行われる確率が47%、2回が42%、1回が11%、1度も行われない確率が2%となっている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ドナルド・トランプ前米大統領(Danny Nelson/CoinDesk)
|原文:Trump Unlikely to Drop Out of ABC Debate With Harris Despite Threats: Polymarket Traders