テレグラムCEOのパベル・ドゥーロフ氏、仏裁判所で「共犯」と連絡拒否の罪で起訴

テレグラム(Telegram)CEOのパベル・ドゥーロフ(Pavel Durov)氏は28日夕方、フランスの裁判所で起訴された。同氏が先週土曜日にパリ近郊の空港で逮捕されてから数日後のことだった。

28日遅くにフランス当局が発表したプレスリリースによると、ドゥーロフ氏は違法取引を可能にするオンラインプラットフォームの運営における共謀の罪、進行中の捜査における警察の文書やその他の連絡要請に応じることを拒否した罪、児童搾取表現物の拡散における共謀の罪、およびその他多数の罪で起訴されている。

また、テレグラムに制御機能を組み込まずに暗号化サービスを提供した罪でも告発されている。

連絡要請に応じず

フランス語から翻訳すると、プレスリリースには「司法要請に対するテレグラムからの回答がほぼ皆無であることをめぐり、特に全国未成年者局(OFMIN)によって、パリ検察庁内の組織犯罪対策全国管轄(JUNALCO)のサイバー犯罪部門(J3)に対して注意喚起が行われた」と記載されている。「他のフランスの捜査機関や検察官、さらには欧州司法機構(Eurojust)内の様々なパートナー、特にベルギーのパートナーに相談したところ、同様の観察結果が共有された。JUNALCOはこれが理由で、こうした犯罪の実行においてこのメッセージサービスの管理者が抱え得る刑事責任について調査を開始した」とされている。

リリースによれば、調査は2024年2月に開始され、7月8日に最初の起訴状が提出された。

ドゥローフ氏には500万ユーロの保釈金

フランス警察は、裁判所出頭前にドゥーロフ氏を身柄の拘束から解放したと述べており、これが一部の混乱を招いた。テレグラムに関連する暗号資産(仮想通貨)TONの価格が一時的に上昇したが、これは同氏が完全に釈放されたという誤解によるものだった。実際には、単に裁判所に向かっていただけだった。

28日夕方のプレスリリースによると、ドゥーロフ氏は500万ユーロ(約8億円、1ユーロ160円換算)の保釈金の支払いや少なくとも週に2回フランスの警察署への出頭を義務付けられ、出国を禁じられたという。

広報担当者はこの日これ以前に声明で、「予審判事はパベル・ドゥーロフ氏を身柄の拘束から解放し、初期尋問と、なされる可能性がある起訴のために裁判所に連行した」と述べた。

テレグラムは、ドゥーロフ氏の逮捕後に発表した声明で、「欧州連合(EU)の法律を遵守している」とし、同社の慣行は業界の規範内にあると主張。「プラットフォームやその所有者がプラットフォームの悪用に責任があると主張するのは不条理だ」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:TechCrunch Disrupt Europe/Creative Commons
|原文:Telegram CEO Pavel Durov Indicted on ‘Complicity,’ Refusal to Communicate Charges in French Court