- カナコードの報告書によると、暗号資産市場は一時期の統合を経て再び成長モードに入っている。
- カナコードは、アメリカでの現物ETFの立ち上げが、幅広い機関投資家による暗号資産の採用につながったと指摘した。
- 機関投資家の暗号資産への配分は増加することが予想されるとこのブローカーは述べている。
暗号資産(仮想通貨)業界は2022年11月の暗号資産取引所FTXの破綻から立ち直り、この1年で成長を取り戻したと、ブローカーのカナコード(Canaccord)は8月29日の調査報告書で述べた。
サム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)氏が設立した暗号資産取引所のFTXは、CoinDeskの独占記事がバランスシートの弱さを強調した後、連邦破産法第11条の適用を申請した。同社の破綻は、「暗号の冬」と暗号資産の弱気相場の大きな要因となった。
「昨年、広範な暗号資産業界はFTX後の統合・回復段階から、成長とビジネスモデル・最大市場規模(TAM)の拡大に焦点を当てた段階に戻ったと我々は考えている」とジョセフ・ヴァフィ(Joseph Vafi)氏率いるアナリストは書いている。
今年初めにアメリカでビットコイン(BTC)の現物ETF(上場投資信託)の取引が開始されたことは、暗号資産市場にとってポジティブなきっかけとなった。
ビットコインとイーサリアム(ETH)の現物ETFが承認されたことで、「機関投資家による暗号資産の採用が広がっており、ポートフォリオへの配分は今後も増加すると予想される」と報告書は述べている。
イーサリアム現物ETFは、ビットコインから約半年後の7月23日に取引を開始した。
カナコードは、マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏のマイクロストラテジー(MicroStrategy)が「ビットコイン開発企業へと進化を続けている」と評価し、同社株が過去1年間で約325%上昇し、約148%上昇したビットコインを含むほとんどの資産クラスをアウトパフォームしていると指摘した。
一方、ウォール街の大手シティ(Citi)は先週の報告書で、アメリカでイーサリアム現物ETFが発売されて以来、暗号資産市場は苦戦していると指摘した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Market Has Evolved in the Past Year, Canaccord Says