- ビットコイン(BTC)の横ばいから下落への値動きは8月30日も続き、8月に入って12%下落した。
- ここ数週間、アジア取引時間中に価格が上昇し、米国取引時間中に価格が下落するパターンが目立っている。
- 来週、新たな米国経済データが発表されれば、ボラティリティは再び上昇方向に転じるかもしれない。
ここ数週間のパターンどおり、ビットコインは米国の取引時間中に再び下落傾向となり、東海岸の正午前に5万8000ドルまで下落した。
ビットコインは当記事執筆時点、5万8200ドルで取引されており、24時間で4.4%弱の下落。5.6%の下落を記録した市場の指標のCoinDesk 20 Index(CD20)をアウトパフォームしている(日本時間31日8時前には5万9155ドル付近)。
CoinDesk 20 Indexのトークンの中でビットコインよりも大きく下落したのは、イーサリアム(ETH)、チェーンリンク(LINK)、カルダノ(ADA)など。下落幅が最も大きかったのは、9%下落したソラナ(SOL)。
8月の取引終了を24時間ほど先に控えた時点で、ビットコインは月初から12%超下落し、好調だった7月の上昇分を覆す結果となった。イーサリアムは8月に25%下落し、年初来の上昇幅はわずか7%に縮小。ソラナも8月は25%下落し、年初来では31%の上昇となった。
アジアは買い、米国は売り
この低調な値動きに見覚えがあると考えている人がいるとしたら、それは気のせいではない。「アジアは買い、アメリカは売る」と、暗号資産アナリストのマイルズ・ドイッチャー(Miles Deutscher)氏は30日にXに投稿している。ドイッチャー氏によると、過去2週間のアジア取引時間中のビットコインの累積リターンは5%以上である一方、米国取引時間中にはマイナスのリターンを記録している。
Asia bids, America dumps.
— Miles Deutscher (@milesdeutscher) 2024年8月30日
Been the meta for the last few days. pic.twitter.com/UX4NRBQQ6d
アジアは買い、アメリカは売る。
ここ数日のメタである。
ビットコインが米国の朝方に再び売られる中、「時計仕掛けのようだ」とドイッチャー氏は付け加えた。
この先のトレンドの変化?
機関投資家への普及の拡大、規制環境の改善の可能性、連邦準備制度理事会(FRB)による利下げの見通しといった好材料は、ビットコイン価格にはほとんど寄与しておらず、5カ月以上前に史上最高値の7万3500ドル付近を記録して以来、20%以上下落している。
強気筋は現時点では、この低迷に活を入れるような何かがあるのか、想像することは難しいかもしれない。しかし来週、米国がレイバー・デーの休暇から戻ってきて、新たな経済指標の発表がマクロ相場を変えれば、エキサイティングな展開になるかもしれない。
来週の注目は、9月6日に発表される8月の非農業部門雇用者数。7月のデータは低調で、9月の利下げをFRBに約束させる最後の一撃となった可能性が高い。
しかし現在のところ、市場の予想は9月中旬の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げにとどまっている。しかし、2カ月連続で低調な雇用統計が発表されれば、投資家はすぐに50bpの利下げを織り込み、ビットコインを含むリスク市場を力強く活気づけるかもしれない。
もちろん裏を返せば、9月に発表される雇用統計が好調ならば、金融緩和に対する市場の見方は和らぐ。何が起ころうとも、ボラティリティがやって来る可能性は高く、上昇に転じる可能性は50%程度だろう。現時点では、強気筋はこの確率を喜んで受け入れるだろう。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:8月29日〜30日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Slips Back to $58K in Continued Desultory Action, but Next Week Could Offer Upside Excitement