フェアリー・ディキンソン大学(Fairleigh Dickinson University)が行った世論調査によると、今回の米大統領選挙期間中のドナルド・トランプ前米大統領による暗号資産(仮想通貨)業界への働きかけが功を奏しているようだ。
8月30日に発表された世論調査によると、暗号資産保有者は、次期米大統領選挙でカマラ・ハリス副大統領よりもトランプ氏に投票すると回答した割合が高かった。暗号資産保有者の調査回答者の半数がトランプ氏に投票する予定と答えたのに対し、ハリス氏を支持する暗号資産保有者は38%にとどまった。
暗号資産を保有しない人たちの間では結果は逆転し、ハリス氏が12ポイントリード。暗号資産を所有したことのない有権者の53%がハリス氏に投票すると答え、41%がトランプ氏に投票すると答えている。
「トランプ氏は暗号資産コミュニティに働きかけ、それが功を奏しているようだ」と、フェアリー・ディキンソン大学の政府・政治学教授で今回の世論調査のエグゼクティブディレクターを務めるダン・カッシーノ(Dan Cassino)氏は30日のプレスリリースで述べ、次のように続けた。
「暗号資産を取るに足らないものと切り捨てるのは簡単かもしれないが、暗号資産の所有がどれほど広まっているか、人々は正確に理解していないと思う」
フェアリー・ディキンソン大学の調査では8月、全国の800人以上の登録有権者から回答を得たが、回答者の15%が暗号資産やNFTを所有、または所有していたと答えた。暗号資産を所有しているという回答者の割合は、最近の他の調査結果とほぼ同じ。
今回の調査によると、暗号資産の保有者は若い男性や人種的マイノリティに偏っている傾向があり、白人有権者の13%が暗号資産を所有したことがあると答えたのに対し、黒人有権者では17%、ヒスパニック系有権者では22%だった。
「歴史的に、共和党は若者や有色人種にアプローチするのに苦労してきた。暗号資産への支持は、そうでなければ民主党に近いと思われる有権者を取り込む可能性のある重要な争点」と、カッシーノ氏は指摘した。
暗号資産業界は今回の選挙期間中、政治献金に多額の資金を投じており、ある調査によると、今年の政治活動委員会(PAC)への企業献金の約半分は、2024年選挙期間の企業献金額トップであるコインベース(Coinbase)やリップル(Ripple)のような暗号資産企業によるものだった。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Crypto Holders Disproportionately Favor Trump for U.S. President, New Academic Poll Shows