リップル共同創業者、ハリス米副大統領を支持へ

リップルの共同創業者兼会長のクリス・ラーセン氏は、カマラ・ハリス米副大統領を次期米大統領に推薦する書簡で名を連ねた企業リーダー88名の内の1人である。

暗号資産企業は現在の米国大統領選挙に関して非常に活発に動いており、リップルが主要寄付者に名を連ねるフェアシェイクPACでは1億6900万ドルの資金が蓄えられている。

フェアシェイク以外の話としては、リップルは少なくとも1人の著名な民主党議員を破ろうとしており、同社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏は上院共和党を支持するPACに寄付している。

推薦の書簡

リップル(Ripple)の共同創業者兼会長のクリス・ラーセン(Chris Larsen)氏は、米国時間9月6日に書簡でカマラ・ハリス(Kamala Harris)米副大統領を次期米大統領に推薦した88名の企業リーダーの1人であるが、その中でも意見の相違があるという可能性を明らかにした。

CNBCが最初に報じたこの書簡によると、ラーセン氏が加わっている一方で、他の著名なCEOについては、レビューサイトのイェルプ(Yelp)、クラウドストレージ企業のボックス(Box)、ソーシャルメディアプラットフォームであるスナップチャット(Snapchat)などの企業名が挙がる。リップルとCEOのブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏は選挙献金の対象を著名な民主党員に定めていた。

同社による献金の大半は、二大政党から暗号資産(仮想通貨)に好意的な候補者を当選させることに焦点を当てたフェアシェイク(Fairshake)政治活動委員会のような、暗号資産を支持するスーパー政治活動委員会(PAC)に対して行われている。リップルラボ(Ripple Labs)はフェアシェイクとその関連組織の主な支援者の1つであり、2024年の選挙に影響力を及ぼすべく約4800万ドル(約68億円、1ドル=142円換算)を寄付している。

業界が一体となって二大政党の間で綱渡りをしようとしている一方で、リップルの寄付は、重要な局面で共和党側に傾いている。反暗号資産のエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)を破ろうとしているのだ。連邦選挙委員会への開示によると、同社のCEOであるガーリングハウス氏も、上院で共和党が多数派を占めるのを目指すスーパーPACに個人的に5万ドル(約710億円)を寄付している。そのため、同氏が政治的に共感する方向性は、ハリス氏の下での民主党政権を支持するラーセン氏が署名した書簡とは相容れないかもしれない。

同書簡では、ハリス氏は「法の支配、安定性、健全なビジネス環境を支える公正で予測可能な政策を今後も推進する」と主張されている。

暗号資産業界による献金

リップルは、同社がエックス・アール・ピー(XRP)の販売で証券法に違反したとの告発をめぐって米国証券取引委員会(SEC)と長期にわたる争いを繰り広げており、この訴訟は、米国政府が暗号資産をどのように監督すべきかをめぐる業界と規制当局との、根源的な争いの1つに数えられる。SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長の考え方は、ウォーレン氏の考えと一致していると業界からは見られている。

暗号資産業界は今年、議員選および大統領選に前例のない額の資金を投入しているが、デジタル資産の企業や愛好家の間では、長年疑念を抱かれていたものの暗号資産を強く支持してきたドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の立候補を支持する見方が台頭している。トランプ氏は米国時間9月5日のニューヨークにおける演説で、大統領に再選されれば、米国を世界における暗号資産の首都にしたいと改めて発言した。

ハリス氏はライバルのドナルド・トランプ氏ほど暗号資産政策に関する立場を公にしていない。ハリス陣営の幹部は、ハリス氏が暗号資産業界の成長を促す政策努力を支持すると示唆している。また、直近では、ハリス氏を支援するPACの1つが、選挙活動に対してデジタル資産で献金することを認める動きが見られる。

「フューチャー・フォワード(Future Forward)PACがコインベース・コマース(Coinbase Commerce)と提携して、暗号資産による寄付を受け付けていることをコインベース(Coinbase)は確認できている」と同社広報担当者はCoinDeskに語った。フューチャー・フォワード USA(Future Forward USA)はハリス氏の主要な支援元であり、今回の動向は民主党が暗号資産に対して好意的になっていることを示している可能性もある。

|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Shutterstock
|原文:Ripple Co-Founder Among Kamala Harris’ New Corporate Endorsers