アプトスが下落を主導、暗号資産の弱さが続く──コインベース株は7ヶ月ぶりの安値に

6日に重要な経済指標である雇用統計が発表されるのを前に、景気後退への懸念がリスク資産の重しになり、暗号資産(仮想通貨)では下落トレンドが続いている。

ビットコイン(BTC)は5日に一時4%以上下落したが、その後は本記事執筆時点で5万6500ドル(約819万円、1ドル145円換算)まで反発し、過去24時間では2.2%の下落となっている。イーサリアム(ETH)は同期間に4%以上下落し、2400ドル(約348万円)を下回っている。暗号資産市場全体の動向を示すCoinDesk 20 Index(CD20)は3%以上下落しているが、ドージコイン(DOGE)、カルダノ(ADA)、ライトコイン(LTC)は比較的パフォーマンスがよい。

レイヤー1ブロックチェーン、アプトス(Aptos)のネイティブトークンであるアプトス(APT)は7%急落し、CoinDesk 20構成銘柄の中で最大の下落率を記録した。これは、近々予定されているトークンのアンロック(ロック解除)イベントが価格の重しとなったためだ。トークンのアンロック情報を提供するToken.Unlocksのデータによると、来週には初期投資家に対するものを含めて現在の供給量の2.3%に相当する6500万ドル(約94億2500万円)相当のロックされたトークンが流通量に追加される予定。

メッサリ(Messari)の最近の調査によると、過去数年間に発生した数百件のアンロックイベントを分析した結果、暗号資産は一般に、大規模なトークンアンロックの前後7日間の期間において、市場全体よりパフォーマンスが悪くなっていた。

伝統的な市場に目を向けると、主要な米国株式は朝の取引時間に、全体的なリスクオフのセンチメントの中で下落した。ダウ平均株価は0.9%下落し、幅広い銘柄を含むS&P 500は東部標準時12時までに0.5%下落した。ハイテク株中心のナスダック100は寄り付きの上昇分を帳消しにし、ほぼ横ばいとなった。

暗号資産関連の株式のパフォーマンスも低調だった。大手暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)は1%下落し、一時2月以来初めて160ドル(約2万3200円)を割り込んだ。日本円キャリートレードの巻き戻しをきっかけに生じた8月初旬の暴落時の安値を更新した。大手ビットコインマイニング企業のマラソン(Marathon)とライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)は、それぞれ4%と2%下落した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Coindesk
|原文:Aptos Leads Losses as Crypto Weakness Continues; Coinbase Shares Fall to 7-Month Lows