グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)は規制当局から、初めての公開取引デジタル通貨インデックスファンドの上場承認を受けた。
金融取引業規制機構(FINRA)の同意を受け、デジタル・ラージキャップ・ファンド(Digital Large Cap Fund:DLC)が店頭市場に上場し、ティッカーシンボルGDLCFで取引されることになる。
DLCはグレイスケールにとって、ビットコイントラスト(Bitcoin Trust(OTCQX: GBTC))、イーサリアムトラスト(Ethereum Trust(OTCQX: ETHE))、 イーサリアムクラシックトラスト(Ethereum Classic Trust(OTCQX: ETCG))に続く4つ目の上場投資商品となる。グレイスケールは最終的に、現在は適格投資家を対象にしている10種類の投資商品すべての上場を目指している。新商品は米国証券市場にアクセスできるすべての投資家が利用できる。
「ビットコイン・トラスト(bitcoin trust)は OTCQX市場で1日の流動性が最も高い証券のひとつである」と、グレイスケールのマイケル・ゾンネシャイン(Michael Sonnenshein)マネージングディレクターはCoinDeskに語った。
「知る限りにおいて、これは米国公開市場で売り出される初めての分散化デジタル通貨だ」
DLCの背後にある考え方は、投資家にひとつのビークルで仮想通貨の幅広いエクスポージャーを与えることだと、ゾンネシャイン氏は述べる。ファンドの年初来リターンは74.8%となっている。
DLCによって投資家は、時価総額で最大級の仮想通貨についてポジションをいつでも持つことができる。ファンドはデジタル通貨市場の70%以上を対象としている。2019年9月30日現在、80.3%がビットコイン(bitcoin)、9.9%がイーサリアム(ethereum)、5.8%がリップル(XRP)、2.2%がビットコインキャッシュ(bitcoin cash)、1.8%がライトコイン(litecoin)となっている。仮想通貨市場の時価総額の変動に対応するため、ファンドの組入比率は四半期ごとにリバランスされ、既存のデジタル通貨が除外され、新たな通貨が追加される可能性がある。ファンドはパッシブ投資ビークルで、アクティブ運用はされない。
ファンドを構成する仮想通貨を選択する際には、時価総額に加え、流動性、運用要件、カストディソリューションの利用可能性など他の要因も考慮される。
グレイスケールは最も歴史の長い最大のデジタル通貨アセットマネージャーで、運用資産は22億ドルに上る。同社は2018年2月、適格投資家を対象とした複数のファンドを開始した。2019年9月30日現在のDLC残高は約320万株となっている。
投資家は実際の仮想通貨に裏付けられた私募投資ビークルで株式を購入する。株価は、毎日午後4時(東部標準時)に、機関投資家取引テクノロジー企業トレードブロック(TradeBlock)が提供するデジタル通貨資産参考レート(Digital Asset Reference Rate)に基づいて決定される。
翻訳:Emi Nishida
編集:T.Minamoto
写真:Michael Sonnenshein image via CoinDesk archives
原文:Grayscale Wins Approval for First Public Digital Currency Index Fund