WazirXから暗号資産を盗んだハッカー、1100万ドル相当のETHをトルネードキャッシュへ移動
  • インドの暗号通貨取引所WazirXへのハッキングを行った北朝鮮のハッカー集団は、盗んだイーサリアム1100万ドル分以上を9月9日の早朝にトルネードキャッシュに移し、取引履歴を隠蔽しようとした。
  • 7月のハッキングにより、柴犬コインが1億ドル以上、イーサリアムが5200万ドル、その他の資産が盗まれ、WazirXの準備金の大部分が失われたが、影響へ対処するための再編が継続的に行われている。

インド最大の暗号資産(仮想通貨)ハッキング事件の背後にいる北朝鮮の組織が、盗んだイーサリアム(ETH)1100万ドル(約15億9500万円、1ドル=145円換算)を9月9日の早朝にミキシングサービス「トルネードキャッシュ(Tornado Cash)」に送金した。

ウォレットデータを追跡しているアーカム(Arkham)によると、7月の暗号資産取引所WazirXへの攻撃で盗まれた5000ETH以上(現在の価格で1100万ドル強)が、協定世界時(UTC)午前7時19分に新しいアドレスに移動された。

その後、そのアドレスから120万ドル(約1億7400万円)分のトークンが5回に分けてトルネードキャッシュに送金された。

トルネードキャッシュは、さまざまなブロックチェーン上のウォレットアドレスを隠蔽しながらトークン交換を可能にするサービスだ。このサービス自体は悪質なものではないが、盗んだ資金を動かしている人物の身元につながるオンライン上の痕跡を消すために、暗号資産犯罪者によく利用されている。

この動きは、先週CoinDeskが最初に報道した400万ドル(約5億8000万円)が送金されたことに続くものだ。ハッカーのメインアドレスには、1億700万ドル(約155億1500万円)相当のさまざまなトークンが保管されており、そのうち、1億ドル(約145億円)相当をイーサリアムが占めている。

(Arkham)

7月、WazirXはマルチシグウォレットの1つでセキュリティ侵害を受け、1億ドル以上の柴犬コイン(SHIB)と5200万ドル(約75億4000万円)のイーサリアムを含む資産が取引所から流出した。

盗まれた資金は、2024年6月の報告書で取引所が挙げた総準備金の45%以上を占めており、取引所はその後、負債を清算するための再編プロセスを申請した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:WazirX Hacker Moves $11M Stolen Ether to Tornado Cash