- アメリカのビットコイン現物ETFは、9月9日に2870万ドルの資金流入を記録し、長い下落傾向に終止符を打った。
- ビットコインは5万7300ドル付近で取引されており、CoinDesk 20指数は約3%上昇している。
アメリカで上場しているビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)は、9月9日に2870万ドル(約41億6150万円、1ドル=145円換算)強の純流入を記録し、12億ドル(約1740億円)に上る流出記録に終止符を打った。
8月27日以降、ETFは損失を計上しており、9日は9月に入って初めての純流入となった。9月はトレーダーたちが主要な暗号資産(仮想通貨)にとって弱気相場になるだろうと以前から警戒していた月だ。ETFからの流出は、プロの投資家たちの間で新たな需要が不足していることを示している。
流出により、開始以来の純流入額は170億ドル(約2兆4650億円)を下回り、7月の水準に戻った。一方、BTCの価格は過去2週間で約15%下落しており、3月の生涯最高値7万3300ドルを約25%下回っている。
しかし、一部のトレーダーは、このような価格変動にもかかわらず強気な姿勢を崩していない。
「目先の騒音や不安定な価格変動があっても、我々は構造的に強気な姿勢を維持している」と、QCPキャピタル(QCP Capital)のトレーダーは10日のテレグラムのブロードキャストで述べた。「そして、市場もこの下落局面を利用して、より長期的な強気な取引を積み増しているように見える」。
「5万2500ドルからの反発は心強い。では、底値は打ったのだろうか。確かなことは言えないが、12月物と3月物の強気な賭けを増やす好機と捉えている機関投資家もいるようだ」とトレーダーは付け加えた。
最も流動性が高く、最も価値の高いデジタル資産の指標であるCoinDesk20指数(CD20)は約3%上昇し、1820付近で取引されている。
一方、BTCは5万7000ドル以上で取引されており、これは消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の発表と、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏とカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏の初の討論会を前にした動きだ。
分散型予測市場ポリマーケット(Polymarket)のトレーダーは、討論会で暗号資産が話題に上ることはないと確信しており、ハリス氏がその用語(またはビットコイン)に言及する可能性は11%、トランプ氏が口にする可能性は13%しかないとみている。
トレーダーらはこの議論が予定より長引くことも予想しており、予定通り午後10時半に終了する可能性は30%にとどまるとみている。
その他の地域では、アジア取引時間の前半に、いくつかの著名なAIトークンが大きく上昇し、CoinGeckoによるとこのカテゴリーは10%上昇した。
流動性ステーキングトークンも好調で、リドDAO(LDO)は6.3%上昇していつ。リド(Lido)のライバルであるロケットプール(Rocket Pool)のRPLは、バイナンスフューチャーズ(Binance Futures)がレバレッジ付き永久契約の開始を発表したことで、20%以上上昇している。DeFi Llamaのデータによると、これにもかかわらず、RPLの総預かり資産(TVL)は有意に増加しておらず、依然として29億ドル(約4205億円)強にとどまっている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin ETFs Post $28.7M Inflows After Record Losing Streak