永久スワップの30日平均ファンディングレートがマイナス水準まで下落、過去の事例を見ると、価格の底を示すレアケースとK33リサーチは述べている。
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ビットコイン(BTC)は10日、上昇。暗号資産(仮想通貨)市場も先週の下落から反発した。
ビットコインは、米国の取引時間後半には5万8000ドルに迫り、24時間で1.7%上昇、先週金曜日(6日)の安値から10%近く上昇した。イーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)もそれぞれ、24時間で1.5%上昇。
トンコイン(TON)、アーティフィシャル・スーパーインテリジェンス・アライアンス(FET)、インターネットコンピュータ(ICP)は、アルトコイン主要銘柄の中で最大の上昇となり、5%〜8%上昇。市場ベンチマークのCoinDesk 20 Indexは1.3%上昇して、1835ポイント。20銘柄のうち16銘柄が上昇した。
今夜(日本時間朝)のトランプ氏とハリス氏による米大統領選討論会で暗号資産が議題にあがる可能性は低いようだが、両陣営の暗号資産に対するスタンスの著しい対照性、そしてその指導力が価格に与える影響を考えると討論会は重要だ。
調査会社ナンセン(Nansen)の主席リサーチ・アナリスト、オーレリー・バーテール(Aurelie Barthere)氏は、選挙を巡る不透明感は11月まで暗号資産価格の重しとなる可能性が高いが、今日の討論会は「民主党全国大会での追い風が弱まるにつれ、世論調査でハリス氏がリードしている状況が多少は弱まる可能性があるため、暗号資産価格に一時的な上昇をもたらす可能性がある」と述べた。
市場は底打ちか
投資家は引き続き、さらなる下落を懸念しているが、信頼性の高い指標のひとつが今後数週間から数カ月の間の大幅な上昇を示していると、K33リサーチ派10日の市場レポートで述べている。
レポートによると、永久スワップの30日平均ファンディングレートはマイナス水準に下落したが、これは2018年以降でわずか6回しか起きていない。
「過去において、マイナス水準に達した月次ファンディングレートは、市場の底と一致していた」と、K33のアナリストは記している。
この指標がマイナスに転じた過去の事例をもとにすると、その後の90日間の平均リターンは79%、中央値は55%とレポートは述べている。
一方、デリバティブの建玉は、ショートポジションが積み上がるにつれ、7月下旬以来の高水準まで徐々に上昇した。この状況は、ファンディングレートがマイナスであることと相まって、市場にショートスクイーズの可能性を残しているとレポートは指摘している。
「同様のファンディングレート環境は、今後数カ月のビットコインへの積極的な投資を強く後押しする」
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Eyes $58K With Downtrodden Crypto Markets Exposed to Short Squeezes, Says Analyst