フィデリティ・デジタル・アセット・サービス(Fidelity Digital Asset Services:FDAS)は、カストディ・サービスおよびトレーディング・サービスを最終段階の限定トライアル・ユーザーから拡大して「現在、全面展開中」だ。フィナンシャル・タイムズが伝えた。
同事業は当初、2019年第1四半期にスタートすると見られていた。
フィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)のCEO、アビゲイル・ジョンソン(Abigail Johnson)氏とのインタビューで、フィナンシャル・タイムズは次のように記した。
「フィデリティは第1四半期に新しいクライアントの獲得を開始し、現在、デジタル資産向けのカストディ・サービスおよびトレーディング・サービスを全面展開中──断片化し複雑化している業界にとって朗報とジョンソン氏はフィナンシャル・タイムズに語った」
CoinDeskは2019年2月、同社の仮想通貨カストディ・サービスおよびトレーディング・サービスのプラットフォームは、ヘッジファンド、超富裕層を対象にするファミリーオフィス、ファイナンシャル・アドバイザーなどの限られたメンバーを対象にテスト中と伝えた。
2兆8000億ドルの資産を運用する同社は、伝統的な金融機関の中では先陣を切ってデジタル資産カストディ・サービスを提供。同業他社はまだ仮想通貨業界がいかにして形成されるか、様子見をしている。
同様のサービスを提供するプラットフォームは複数あるが、フィデリティの巨大な顧客基盤とネットワークは明らかなメリットとジョンソン氏は述べた。
例えば、コインベース(Coinbase)は「まだほとんどの人にとっては聞いたことのない企業であり、フィナンシャル・アドバイザーたちと何の関係も持っていない」と同氏はフィナンシャル・タイムズに語った。
コインベースは、数十億ドル規模のデジタル資産を取り扱っており、ニューヨーク州金融サービス局の承認を得て、2018年10月、第三者向けのカストディ・サービスをローンチしている。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Image from Consensus 2017 via CoinDesk Archive
原文:Fidelity Digital Assets Opens to All Qualified Investors