イーサリアムのレイヤー2ネットワークの主要開発者であるポリゴン・ラボ(Polygon Labs)は10日、ゼロ知識暗号化処理に最適化された新型コンピューターチップを今後公表すると発表した。このチップはハードウェアメーカーのファブリック(Fabric)が、ポリゴンの相互運用性ソリューションであるアグレイヤー(AggLayer)向けに特別に構築したものだ。
ファブリックは先月、暗号化とブロックチェーン用に設計されたカスタムチップである「検証可能処理ユニット(VPU)」を作成するための3300万ドル(約47億8500万円、1ドル145円換算)のシリーズAラウンドを告知していた。ポリゴン・ラボもこのラウンドに参加している。
ポリゴンのZK(ゼロ知識)チームは、その証明者ライブラリであるプロンキー2(Plonky2)とプロンキー3(Plonky3)用のVPUを作成するためにファブリックと提携してきた。証明者は、ゼロ知識暗号化を中心に構築されたブロックチェーンシステムの重要なコンポーネントだ。ゼロ知識暗号化は、昨年暗号資産(仮想通貨)業界で最も注目されるデザイン機能の1つとして浮上したもので、ポリゴンが重視している。
アグレイヤーは、提携するブロックチェーンネットワーク間でシームレスにトークンを送信できるようにするポリゴンのプロジェクトだ。
ポリゴンはプレスリリースで、「最も新しいアグレイヤーへの貢献者として、ファブリックはVPU上でプロンキー2とプロンキー3を実行するソフトウェアを開発することでアグレイヤーのロードマップを加速させるためにポリゴン・ラボと密接に協力していく。そして、ポリゴン・ラボはVPUの将来世代がアグレイヤーの長期的なロードマップを加速させることを確実にするためにファブリックと密接に協力していく」と述べた。
また、チームはこの日の発表の中で、アグレイヤー上のゼロ知識証明生成プロジェクトを加速させるために、ポリゴン・ラボが500万ドル(約7億2500万円)相当のVPUベースのサーバーシステムを取得することも明らかにした。
ポリゴンの共同創設者であるミハイロ・ビェリック(Mihailo Bjelic)氏は、CoinDeskに共有したプレスリリースで、「ファブリックのVPUは、ゼロ知識技術のより広範な普及までの時間を3〜5年から6〜12ヶ月に加速させることができる。ポリゴン・ラボにとって、この技術を実装すればアグレイヤーの開発を大幅に加速させることになる。数年で実現するとは誰も思っていなかったリアルタイムで手頃なコストの証明をもたらし、以前は中期的に可能だと考えられていたはるかに低い証明コストが実現するだろう」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:ミハイロ・ビェリック氏(Polygon)
|原文:Polygon to Buy $5M of Servers With Computer Chips Devoted to Zero-Knowledge Cryptography