コア・サイエンティフィック、大規模AIデータセンター提供で稀有な立場:バーンスタイン・レポート
  • バーンスタインのレポートによると、コア・サイエンティフィックは、1年から3年の期間内に大規模なAIデータセンターを実現できる独特の立場にある。
  • 同レポートでは、従来のデータセンターは同等の規模を提供できるが、同じ期間ではできないと述べられた。
  • バーンスタインは、コア・サイエンティフィック株をアウトパフォームと評価し、目標株価を17ドルとしている。

6月にコア・ウィーブ(CoreWeave)と200メガワット(MW)の人工知能(AI)契約を結んだビットコイン(BTC)マイナーのコア・サイエンティフィック(CORZ:Core Scientific)は、3年以内に300メガワットもの規模を実現できる独特の立場にあると、バーンスタイン(Bernstein)は現地時間9月10日、CEOのアダム・サリバン(Adam Sullivan)氏への取材後のリサーチ・レポートで述べた。

コア・サイエンティフィックは「すぐに利用できる敷地と電力、1~3年という期間におけるデータセンター市場での競争の少なさ、そして強力なデータセンターの人材を構築し雇用する能力」から恩恵を受けていると、ガウタム・チュガニ(Gautam Chhugani)率いるアナリスト・チームは記している。

従来のデータセンターでも同じ規模を提供できるが、そこに到達するにはもっと時間が必要だと同レポートは指摘している。「コア・ウィーブにとって、AIの拡張競争では実行の速度と市場投入までの時間が最も重要だ」と記された。

AI企業の需要

AI企業のコンピューターパワーに対する需要の急増には、問題が残る。投資家の資金が流れ込んでいる一方で、AI企業は増え続けるコンピューティング・ニーズに応えるために必要なインフラに十分な速度でアクセスできない。ビットコインマイナーは、すぐに利用できる敷地と電力にアクセスできる。コア・サイエンティフィックとコア・ウィーブの12年契約は、AI企業がビットコインマイナーと提携する風潮が強まっている証左だ。

バーンスタインは、一部の投資家が、この案件によるコア・サイエンティフィックとコアウィーブの取引相手に関するリスクと、負債による過剰投資のリスクについて懸念を表していると指摘した。

「これらは明らかにAIサイクルにおけるより広範なリスクであり、コア・サイエンティフィックへの投資にはコアウィーブの要素が含まれる」と同レポートは述べている。

バーンスタインは、コア・サイエンティフィック株への評価をアウトパフォーム、目標価格は17ドル(約2415円、1ドル=142円換算)とした。同株は、本記事の執筆時点でほぼ一定で10ドル(約1420円)前後で取引されていた。

同社CEOはCoinDeskとの独占インタビューで、コア・サイエンティフィックがコアウィーブとの契約を締結した後、プライベートエクイティはAIコンピューティングを支援するためにビットコインマイナーと提携することに価値を見出していると語っている。

|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Shutterstock
|原文:Core Scientific Is Uniquely Placed to Deliver AI Data Center Scale in the Near Term: Bernstein