ビットコイン、米ハイテク株上昇の中で5万8000ドルを突破
  • アジア取引時間にビットコインはアメリカのハイテク株の上昇やアジア株式の好調な動きに影響され、5万8000ドルを突破した。
  • ビットコイン価格が上昇したにもかかわらず、アメリカのビットコイン現物ETFでは資金流出が起こり、アークのARKBでは5400万ドルの流出が見られた。
  • OpenAIが1500億ドルの評価額で65億ドルの資金調達を計画しているという報道があった中、AIトークンは小幅な上昇となった。

9月12日のアジア取引時間の午前中、アメリカのテクノロジー株の上昇とアジア株式市場の値上がりを受けて、ビットコイン(BTC)は5万8000ドルを上回る値をつけた。

しかし、アメリカのビットコイン現物ETF(上場投資信託)は、2日間連続の流入の後、現地時間11日に再び流出に転じ、4300万ドル(約60億円、1ドル=140円換算)の損失を出し、これはアーク・インベスト(Ark Invest)のARKBからの5400万ドル(約75億6000万円)の流出が主な要因となった。

8月のアメリカのインフレ率データでは、コアインフレ率が予想を上回る0.3%超の上昇となったため、今後数週間のアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを行うという味方を後押しした。

半導体メーカーのエヌビディア(Nvidia)は8.2%上昇し、その他、主要テック株のマイクロソフト(Microsoft)、グーグル(Google)、アップル(Apple)は2.13%上昇した。

12日にはアジア市場にも上昇が波及し、日本、韓国、台湾の株価指数が急騰した。日本の日経平均株価は、10日に米ドルに対して過去最高値を記録した後、円が若干下落したが、7日間の連敗から抜け出した。

一方、レイヤー1のブロックチェーンであるスイ(Sui)のネイティブトークンSUIは12日に注目を集めた。CoinDeskのデータによるとこのトークンは16%以上上昇したのに対し、より広範なCoinDesk 20指数(CD20)は1.67%の上昇だった。

SUIが市場を上回るパフォーマンスを上げているのは、グレイスケール(Grayscale)がグレイスケール・スイ・トラスト(Grayscale Sui Trust)を発表したことが理由である可能性が高い。

グレイスケールの公開情報ページによると、ファンドの1ユニット当たり純資産価値は13.50ドルで、1ユニットあたり14.95SUIであるため、ファンド内のSUIの価値は90セントになる。Suiの現在の価値が1ドル強であることを考えると、市場はグレイスケールのディスカウントに対して準備しているようだ。

一方、AIトークンは、ブルームバーグ(Bloomberg)がOpenAIが1500億ドル(約21兆円)の評価額で65億ドル(約9100億円)の資金調達を計画していると報じたことを受け、小幅な上昇を見せた。ニアプロトコル(NEAR)は6%上昇し、人工スーパーインテリジェンス・アライアンス(ASI:Artificial Superintelligence Alliance)のFETは9%上昇し、1.40ドル以上で取引されている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Jumps Over $58K Amid Tech Stock Rally, SUI Outperforms