2022年、ブテリン氏は分散化の段階に応じたロールアップの分類を提案した。分類は、ロールアップが「補助輪」に頼りがちで、十分な分散化の準備が整う前にユーザーに展開する傾向があることを示していた。
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強い発言力を持っているが、無視という手段もある。
イーサリアムブロックチェーンの共同創設者、ヴィタリック・ブテリン氏はX(旧Twitter)に、今後、公に向けた投稿ではレイヤー2ネットワークについて異なる扱いをするつもりだと記した。十分に分散化されていないプロジェクトには言及しないという。
ブテリン氏の言及に値するには、少なくとも同氏が数年前にブログで提示した分類における「ステージ1」と呼ばれる基準を満たさなければならない。
「来年からは、公の発言(ブログ、講演など)では、ステージ1以上のL2のみに触れるつもりだ」とブテリン氏。
「私が投資しているかどうか、あるいは私の友人かどうかは関係ない。ステージ1か、そうでないかだ」
I take this seriously. Starting next year, I plan to only publicly mention (in blogs, talks, etc) L2s that are stage 1+, with *maybe a short grace period* for new genuinely interesting projects.
— vitalik.eth (@VitalikButerin) September 12, 2024
It doesn’t matter if I invested, or if you’re my friend; stage 1 or bust.
Multiple… pic.twitter.com/4cGxgsfmUc
2022年、ブテリン氏は分散化の段階に応じたロールアップの分類を提案した。分類は、ロールアップが「補助輪」に頼りがちで、十分な分散化の準備が整う前にユーザーに展開する傾向があることを示していた。
「プロジェクトの技術がまだ未成熟にもかかわらず、エコシステム形成のために、プロジェクトが早期に立ち上げられることがある。だが詐欺防止策やゼロ知識証明を十分に実装するのではなく、コードにバグがある場合に特定の結果を強制できるようなマルチシグが使われていることがある」とブテリン氏は2022年にブログに記している。
マルチシグとは、複数の署名を組み合わせることで制御されるキーのことだ。しばしば、緊急の状況下で、事態に変更を加えることができる少人数のグループを表し、ネットワーク検証に使用される通常の合意プロセスを回避することができる。
「補助輪」を外す
ブテリン氏は、L2プロジェクトを0〜2の3つの段階に分類している。ステージ0は、レイヤー2ネットワークが完全に補助輪に依存している段階。ステージ1は、限定的に補助輪を利用しているが、不正防止機能を備えている段階。不正防止機能とは、レイヤー2のトランザクションをベースとなるイーサリアムブロックチェーンで決済する際に、単一の中央集権的エンティティを必要としない重要な暗号化プロセスのことだ。ステージ2は、プロジェクトが完全に分散化されていることを意味する。
レイヤー2の情報を集約しているL2Beatは、各レイヤー2プロトコルが、どのようなステージにあるかを追跡している。現在、主要ロールアップでステージ2に達しているものはない。ステージ1に達しているのは、Arbitrum One、OP Mainnet、zkSync liteのみ。
「ロールアップがマルチシグとして称賛される時代は終わりを迎えている」とブテリンはXに記した。
「暗号化による信頼の時代が到来している」
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:イーサリアムの共同創設者、ヴィタリック・ブテリン氏(Margaux Nijkerk)
|原文:Ethereum’s Vitalik Buterin Amps Up Pressure on Layer-2 Networks to Decentralize Further