ソニーが手がけるイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ネットワーク「ソニューム(Soneium)」でステーブルコイン「USDコイン(USDC)」が利用できるようになる。
USDCを発行する米サークル(Circle)は9月16日、ソニー・ブロック・ソリューションズ・ラボ(Sony Block Solutions Labs)との戦略的提携を発表した。ソニュームは、サークルが進める標準規格「Bridged USDC Standard」を統合し、ブリッジ型USDCを同チェーンにおける価値交換のための主要トークンのひとつとするという。
リリースでは、ソニュームは「価値交換の基盤としてブリッジ型USDCを統合することで、クリエイターやユーザーに新たなチャンスをもたらし、シームレス、安全、ボーダーレスな取引を実現し、分散型技術をベースとしたグローバル経済の育成を実現する」と述べられている。
「Bridged USDC Standard」は、EVM(イーサリアム仮想マシン)互換ブロックチェーン上にブリッジ型USDCを展開するための標準規格。ブリッジ型USDCは、イーサリアムブロックチェーンのネイティブUSDCの代替として機能し、ソニュームなどのレイヤー2チェーン上で開発されたアプリにUSDC決済を手軽に導入することができるという。
リリースで、ソニー・ブロック・ソリューション・ラボのチェアマン、渡辺潤氏は「サークルの金融インフラをソニュームと統合することにより、デジタル・エンターテインメントと金融のあり方を再定義する準備が整った。この提携は、相互接続され、効率的なデジタルエコシステムを構築するという当社のビジョンと理想的に一致している」「我々は提携がもたらす可能性にエキサイトしている。技術的な進歩のみならず、ソニュームと世界中のユーザーに具体的なベネフィットをもたらすことができる」と述べている。
一方、サークルの共同創業者兼CEOのジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は、「ソニー・ブロック・ソリューション・ラボと提携し、デジタル時代におけるクリエイティビティとイノベーションをサポートする方法を再度、想像できることをうれしく思う」「この提携は、当社のステーブルコインとブロックチェーン技術の普及を加速させるというサークルのミッションにとって重要なマイルストーンとなり、クリエイターが安全でユーザーフレンドリーなWeb3体験を通じて活躍できるよう支援する」と述べた。
|文:増田隆幸
|画像:WebXに登壇したSony Block Solutions Labs チェアマンの渡辺潤氏と同ディレクターでStartale(スターテイル)CEOの渡辺創太氏(CoinDesk JAPAN)