DEX大手のdYdX、予測市場に参入
  • 分散型暗号通貨取引所のdYdXは、予測市場に永久先物を上場する計画だとチャールズ・ドーシー氏はインタビューでCoinDeskに語った。
  • 予測市場は、DeFiが再び注目を集めるユニークな機会を提供できる可能性があると彼は付け加えた。

パーペチュアルに焦点を当てた分散型暗号資産(仮想通貨)取引所(DEX)のdYdXは、まもなく予測市場分野に参入し、ユーザーがバイナリーイベントの結果にレバレッジを効かせた賭けを行うことを可能にする予定だ。これは、中央集権的な取引所から注目をそらすことを目的としている。

「dYdXは予測市場で永久先物を開始する」とdYdX財団のCEOであるチャールズ・ドーシー(Charles d’Haussy)氏はインタビューで述べ、分散型金融(DeFi)は中央集権的な取引所と差別化を図るために特別な何かを提供する必要があると説明した。

「予測市場は、DeFiが再び注目を集めるためのユニークな機会を提供できるだろう」とドーシー氏は述べ、DEXは外国為替や指数にも注目していると付け加えた。

予測市場では、投資家は金融インセンティブを利用して、スポーツ、金融資産価格、政治イベント、さらには天気まで、特定のイベントの結果に対して賭けを行うことができる。パーペチュアルは満期日のない先物のようなデリバティブ契約で、市場参加者が適切と判断する限りポジションを保有することができる。

2018年にイーサリアム上で立ち上げられたオーガー(Augur)は、おそらく暗号資産ベースの予測市場に最初に参入した。しかし、流動性の欠如とイーサリアムブロックチェーンの高額な手数料により、注目を集めることはできなかった。現在、オンチェーン予測市場のリーダーはポリマーケット(PolyMarket)だ。プラットフォーム上での取引高は8月に4億5000万ドル(約630億円、1ドル=140円換算)を超えた。DefiLlamaによると、DYdXの取引量は212億ドル(約2兆9680億円)だった。

DYdXが予測市場に参入するのは、今年後半に予定されているdYdX Unlimitedアップグレードの一環だ。dYdXブロックチェーンで最も重要なプログラムとして宣伝されているこのプログラムでは、トレーダーが任意のマーケット(トークン)を上場し、瞬時に取引できるようにするパーミッションレス・マーケットやMegaVaultと呼ばれるマスター流動性プールなどの機能が導入される予定だ。

「このプラットフォームのユーザーは、dYdXチェーンの任意の市場への上場を提案することができる」とドーシー氏はパーミッションレス・マーケットについて説明し、「このプロトコルは、価格と市場パラメータを積極的に維持する」と述べた。現在、コミュニティではトルコリラ(TRY)に連動したFX取引ペアについて実験を行っているという。

新しく市場に参入するユーザーは、ガバナンスによって決定された量のステーブルコイン、USDCをMegaVaultに入金する必要がある。これにより、その市場での注文が提示され、即時の流動性が確保される。

MegaVaultはユーザーから流動性を調達し、ユーザーはMegaVaultの利益の分配に加え、ガバナンスによって決定されるプロトコルの収益の分配を受け取る。さらに重要なのは、ユーザーはMegaVaultにUSDCを預けるだけでよく、MegaVaultが流動性をどこに提供するかを決定することだ。要するに、これは受動的な収入戦略なのだとドーシー氏は説明している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:チャールズ・ドーシー氏(https://charlesdhaussy.com/)
|原文:DYdX to Debut Perpetual Futures on Prediction Markets as DEX Seeks to Raise Profile