ステーブルコイン決済プロダクト、実運用に向けた開発フェーズへ:ProgmatとDatachainが発表

Progmat, Inc.(以下、Progmat社)とDatachainは9月18日、「Progmat Coin基盤」を使って発行予定のステーブルコインを用いた決済プロダクトが実運用に向けた開発フェーズに移行したと発表した。

Progmat Coin基盤を用いたステーブルコインの発行は、昨年9月に発表されたBinance Japanとの取り組みを皮切りに、金融機関連携の国産ステーブルコイン、暗号資産交換業者間の決済効率性の向上を目指した「暗号資産業界横断ステーブルコイン」、プリペイド型ステーブルコインを手がけるJPYCとの協業、貿易決済への活用、DMMとの共同検討など、複数の取り組みが発表されている。

またProgmat社とDatachainは今月はじめ、SWIFT(スイフト:国際銀行間通信協会)の既存のAPIフレームワークを活用したステーブルコインでの国際送金プロジェクト「Project Pax」を発表した。

今回発表した決済プロダクトは、初期ユースケースとして、「Project Pax」でのクロスボーダー送金に必要な機能を開発した。「Project Pax」の2025年の商用化に向け、実運用を見据えた開発フェーズに移行。将来的には国内送金や個人間送金にも対応する予定という。

法定通貨と連動して価値が変動しない=ステーブルなデジタル通貨という意味では、すでに北國銀行の預金型ステーブルコイン「トチカ」や、先日、約63億円の資金調達を発表したディーカレットの「DCJPY」が運用を開始している。これらは「トークン化預金」とも呼ばれ、海外ではJPモルガンのJPMコインが知られており、すでに2023年10月には、1日あたりの取引高は約10億ドルにのぼると伝えられている。

一方、2023年6月に施行された改正資金決済法で「電子決済手段」として定義されたステーブルコインは、2024年度下半期の登場が期待されている。第1号として登場するのは、国内発行型のものになるのか、海外発行型のものになるのか。ドル建てなのか、円建てなのか。さらにはどのようなユースケースが想定されているのか、興味は尽きない。

|文:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:リリースより