- ドイツ銀行の調査によると、ほとんどの中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の使用を検討しているにもかかわらず、消費者は使用に慎重だ。
- レポートによると、コロナ・パンデミックはデジタル決済への移行を加速させた。
- 調査対象者のうち、CBDCが主流になると考えていたのはわずか16%だった。
ドイツ銀行の調査によると、世界の中央銀行の94%が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の使用を検討しているにもかかわらず、消費者は依然として使用に消極的だ。
同行は今年3月と7月に欧州、英国、米国の消費者4850人を対象に調査を行った。
調査によると、現金はすぐになくなることはなく、回答者の大多数はCBDCよりもデビットカードやクレジットカードの使用を希望し、44%はCBDCよりも現金の使用を希望した。
「消費者の59%は現金が常に重要だと考えているが、コロナによるパンデミックは、特にZ世代の間でデジタル決済への移行を加速させた」と、アナリストのマリオン・ラボーレ(Marion Laboure)氏とサイ・ラビンドラン(Sai Ravindran)氏は現地時間9月18日公開のレポートに記している。
CBDCに対する調査結果
CBDCは、ブロックチェーンベースで中央銀行が発行する法定通貨のデジタル版。CBDCは発行した中央銀行によって管理され、法定通貨とみなされ、決済に使用できる。
調査対象者のわずか16%がCBDCが主流になると考えており、31%がCBDCを民間が発行するものよりも好むと回答した。31%がCBDCの使用を望み、ビットコイン(BTC)のような民間の暗号資産を選ぶと回答したのは21%だった。
プライバシーも懸念されている。米国で調査対象となった人の21%は、一般的な暗号資産の方がCBDCよりもプライバシーが保護されると考えていると答えた。匿名性のために現金を好む消費者は、英国や米国よりも欧州で多かった。
ドイツ銀行は、スイス国立銀行(SNB)、欧州中央銀行(ECB)、ニューヨーク連邦準備銀行が最近開始した取り組みからもわかるように、中央銀行はホールセール型のCBDCを使用することにますます重点を置いていると指摘した。
|翻訳・編集:T.Minamoto
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|原文:Cash Is Still King, Consumers Would Prefer to Use Money Over CBDCs: Deutsche Bank
※編集部より:本文を一部修正して、更新しました。