- 中国の中央銀行が積極的な景気刺激策を発表した後、ビットコインとイーサリアムは若干下落した。
- この措置を受けて、投資家が株式市場に参入したため、現地の株式指数は上昇した。
ビットコイン(BTC)は週初めに約1カ月ぶりの高値6万4500ドルに達した後、中国が景気減速を食い止めるための新たな景気刺激策を発表したことを受けて24日の早朝から下落し始め、一時6万2700ドルまで下落した。
中国人民銀行(PBOC)は、本土の銀行の預金準備率を50ベーシスポイント引き下げると発表した。また、中央銀行が商業銀行から資金を借り入れる際の金利である7日物リバースレポ金利を20ベーシスポイント引き下げ、1.5%とした。さらに、同行は住宅ローンに対する最低頭金要件を15%に引き下げた。
BTCは一時2.2%下落し、他の主要トークンも損失を記録した。イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)、エックス・アール・ピー(XRP)、ソラナ(SOL)は最大1.8%下落した。しかし、このような下落は、大きな上昇の後には一般的であり、必ずしも中国の金利決定と関連しているわけではない。
プレスト・リサーチ(Presto Research)のシンガポール駐在リサーチアナリスト、リック・マエダ(Rick Maeda)氏は「ビットコインがこのニュースに反応しなかったこと、そして中国株価指数が上昇していることは、現在のビットコインが、特に先週のアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)の会合以降、米国株式との相関が2年近くぶりの高水準に達していることからも明らかなように、アメリカの政策やアメリカの市場により密接にリンクしていることを浮き彫りにしている」とCoinDeskに述べた。
幅広い暗号資産(仮想通貨)を対象としたCoinDesk 20 指数(CD20)は同期間に1.8%下落した。
セレスティア(Celestia)のTIAは、エコシステムを強化するために1億ドル(約145億円、1ドル=145円換算)を調達したことを発表して17%上昇し、数少ない上昇銘柄のひとつとなった。
中国の利下げを受けて株価が上昇
暗号資産は中国の利下げや刺激策に反応しなかったが、中国の株価指数は大幅に上昇し、地元のトレーダーは暗号資産よりも株式に注目していることが示唆された。
香港のハンセン指数はニュースを受けて3.2%上昇し、上海総合指数は2.3%上昇した。
INGの中国担当チーフエコノミストであるリン・ソン(Lynn Song)氏はメモの中で、政策パッケージにより人民元は若干下落し、中国人民銀行の緩和策を受けて米ドル/人民元のレートが上昇するとの見解を示した、しかし、金利スプレッドのような中期的な要因は、人民元の緩やかな上昇を示唆している。
プレストのマエダ氏は、中国人民銀行が追加利下げと市場支援を示唆していることから、「この決断的な行動は、上海総合指数が最近、重要な抵抗線である2700を割り込むという重要な局面でなされたものだ」と述べている。
ハリス氏の勝利は「弱気相場」にはつながらない可能性が高い
また、シンガポールに拠点を置くQCPキャピタル(QCP Capital)のトレーダーは、23日のマーケットブロードキャストで、民主党のカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏が次期アメリカ大統領に選出されたとしても、市場が想定するほど弱気相場にはつながらない可能性があると述べた。
「ハリス候補が当選しても、市場が考えているほど弱気相場にはならないかもしれない。暗号資産支持票を獲得しようとする別の試みとして、ハリス氏は週末の資金調達イベントで、暗号資産部門の成長を支援すると約束した」とQCPは述べた。「これは、アンソニー・スカラムッチ(Anthony Scaramucci)氏や他の暗号資産支持者が、彼女の選挙キャンペーンの暗号通貨政策に協力していることを反映したものだ」。
ハリス氏は週末、当選した場合、「消費者と投資家を保護しながら、AI(人工知能)や暗号資産などの革新的な技術を奨励する」と述べ、彼女が暗号資産に対して好意的な姿勢を示したのは数少ない機会の1つとなった。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin More Linked With U.S. Fed, Traders Say, as China Lands Stimulus