9月のビットコイン月足は陽線の可能性
- 今月のビットコイン月足は先月と同様に下ひげを付けたローソク足になりそうです。800万円より下では買い戻される動きとなっています。今月は来週月曜日に最終日を迎えますが、月足がプラスとなれば4月ぶりに陽線となります。8月は11%の下落となりましたが、現在は7%近く上昇しており900万円台も回復しています。月足は3ヶ月移動平均線(3EMA)に肉薄しており、移動平均線を超えることができれば再度上昇トレンド入りする可能性が高まります。
週足は先週移動平均線の上位へ
- 9月足は初週こそマイナスとなったものの、2週目、3週目にプラスとなり8週移動平均線(8EMA)を上回りました。8月後半から9月の前半までは売りが優勢な相場となっていましたが、2週目から買い戻しが入り値動きが反転しました。週足は7月の最終週から移動平均線を下回っていましたが、足元ではこれを上回り、週足は強気トレンドを示唆しています。
日足はレジスタンスを前に上値が重くなる
- 日足は8月の安値を更新せず安値を切り上げ、足元のレジスタンスを試す動きとなっています。先週は日足が6日連続の陽線を記録し、かなり底堅い動きを見せました。一方、レジスタンスを前に揉み合う展開となっています。レジスタンスは940万円近辺となっており、この上値を超えることができるかが非常に重要となります。現在の価格は920万円近辺で取引されています。上値の重石となっているレジスタンスを突破できれば長期チャートの形が好転します。年末相場に向けて注目の価格帯と言えるでしょう。
FEDが4年半ぶりに利下げ
- 上記は米取引所コインベースのBTC/USD月足チャートと米5・10年物国債金利の推移を表したものです。米中央銀行(FRB)は今月19日に約4年半ぶりに政策金利の引き下げを発表しました。金利の低下はビットコイン価格にも長期でポジティブに作用すると考えられています。コモディディ市場の主要金融商品である金(ゴールド)の対ドル価格は現在、最高値となる2600ドルを突破しています。
前回利下げがあった2019年当時は、政策金利変更直後こそビットコイン価格は大きく反応しませんでしたが、長期では強い上昇トレンドが発生しています。2020年にコロナショックが起きた際は、株式市場と共に一時的にビットコインも大きく下げる動きもありました。一方、FRBはさらに金融緩和を進めた結果、政策金利が0.25%まで下げられ、2021年にビットコインは当時の最高値を更新し、暗号資産市場全体も押し上げる効果がありました。
今月の利下げも長期ではビットコイン価格を上昇させることが期待されます。短期ではアメリカの景気後退懸念が指摘されていますが、株式市場が大きく崩れ、経済指標が悪化するようならFRBは再度強い金融緩和に動くことが予想されます。
まとめ
- ビットコインのチャートは日足・週足が強気なチャートとなっています。月足は3ヶ月移動平均線を超えてこられるか注目です。短期チャートから強気な形となり、長期チャートも上向きつつあります。今月はFRBが利下げしたことで、ファンダメンタルズ的にはビットコインが買われやすい状況と言えます。長期的にはビットコイン価格が底堅く推移することが想定されます。前回の利下げ局面のように経済状況が悪化し金融市場全体が下げた場合は追加利下げが予想されるため、ビットコイン価格も下がった際に買えるような資金を残しておくことも重要でしょう。
|文:真田雅幸/bitbankマーケット・アナリスト
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
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