アメリカの投資家の間でビットコイン現物ETFの需要が拡大
  • ビットコインは6万3000ドルを上回る水準で取引され、日次では若干の下落となったものの、週次では上昇し、ETFには大幅な純流入が見られ、蓄積傾向にあることが示された。
  • 中国人民銀行が預金準備率引き下げと金利引き下げを決定したことに続き、中国は経済を強化するために国営銀行に1兆元の大幅な資本注入を検討していると報じられている。
  • イーサリアムは、日次の小幅な下落にもかかわらず、週次では上昇して2600ドル以上で取引され、ETFもポジティブな資金流入を示した。一方、ワールドコインのWLDトークンは、OpenAIの拡大発表を受けて14%急騰した。

9月26日のアジア取引時間の前半、ビットコイン(BTC)は6万3000ドルを上回る水準で推移し、1.4%下落したものの、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)への資金流入が依然として好調であることから、週次では2%上昇した。

中国が苦戦を強いられている経済を支援する能力を高めるため、大手国営銀行に最大1兆元(約21兆円、1人民元=21円換算)の資本を注入することを検討しているとの報道を受け、アジアの株式相場は急騰した。

これは、中国人民銀行(PBOC)が本土の銀行に対する預金準備率を50ベーシスポイント(bps)引き下げ、また、中央銀行が商業銀行から資金を借り入れる際の金利である7日物リバースレポ金利を20bps引き下げて1.5%とした、週初めの緩和的な決定に続くものだ。

SoSoValueのデータによると、BTC現物ETFの1日当たりの純流入額は2日連続で1億ドル(約145億円、1ドル=145円換算)を突破した。これは5日連続の純流入を意味する。

(SoSoValue)

CryptoQuantのデータによれば、ETFの30日間の純保有量を追跡する指標が9月に初めてプラスに転じ、売却ではなく蓄積の傾向が高まっていることを示唆している。

一方、イーサリアム(ETH)は2600ドルを上回る水準で取引されており、この日は1.3%下落したが、週次では8%上昇している。データによると、イーサリアム現物ETFの純流入額は4300万ドル(約62億3500億円)となり、2日連続でプラスとなった。

プレスト・リサーチ(Presto Research)は最近のメモで、ネットワーク取引の増加によるイーサリアムのガス代の上昇の時期が、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)による50ベーシスポイントの利下げ後にETHがBTCを上回るパフォーマンスを示した時期と一致していると述べている。

オンチェーンの利回りは3カ月物国債利回りを下回ったままだが、一部の投資家は総預かり資産(TVL)の潜在的な回復に備えているとプレストは述べている。しかし、より広範な資本の移動は2025年まで起こらない可能性がある。

サム・アルトマン(Sam Altman)氏が支援するワールドコイン(WorldCoin)のWLDは、過去24時間で14%上昇し、広範な暗号資産(仮想通貨)市場で利益を上げた数少ない銘柄となった。同社は9月25日、ポーランド、マレーシア、グアテマラで先週から検証サービスを開始したと発表した。これにより、より多くのユーザーが参加し、プロジェクトの基盤が強化されるだろう。

この上昇は、アルトマン氏のもう一つの会社であるOpenAIの経営陣の入れ替えと、同社の非営利法人から営利法人へのステータスの変更が行われた中で起こった。WLDトークンは、暗号資産トレーダーがこの2つを密接に関連していると考えるため、OpenAIの動向に連動する傾向が歴史的に見られる。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin ETF Demand Grows Among U.S. Investors as China Considers Massive $142B Capital Injection