ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」を裏付けにしたステーブルコイン「UStb」発表:Ethena

UStbの準備金は、米ドル、米国債、レポ契約を保有する「BUIDL」に投資される。

  • エセナ(Ethena)は、新しいステーブルコイン「UStb」を発表。準備金を世界最大の資産運用会社ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」に投資するという。
  • 厳しい市場環境下の際は、同社が手がける利回り付きのアルゴリズム型ステーブルコイン「USDe」のヘッジポジションを閉じて「UStb」に資産を再配分することで、UStbはUSDeをサポートできると述べた。

エセナ(Ethena)は9月25日、ブラックロック(BlackRock)のトークン化ファンド「BUIDL(USD Institutional Digital Liquidity Fund)」に準備金を投資する新たなステーブルコイン「UStb」を開発中と発表した。

エセナは今年初めに、利回り付きのアルゴリズム型ステーブルコイン「USDe」を発表している。USDeは、ドルペッグを維持しつつ、利回りを生むために、現物資産(この場合は、ビットコインとイーサリアム)とそのデリバティブのアービトラージ(裁定取引)戦略、いわゆるキャッシュ・アンド・キャリー取引を行う。

UStbはUSDeと異なるリスクプロファイルを備えた「完全に独立したプロダクト」になるとエセナはブログに記している。

また、必要に応じて裏付け資産をUStbに再配分することで、厳しい市場環境下でのUSDeのリスク管理に役立てることができるとも述べている。

USDeは、業界関係者から懸念の声があがっている。取引は安全だが、市場のボラティリティにより、取引が解消されてしまう可能性があるという。

Xへの投稿で、エセナはこうした懸念に対処し、最近の弱気相場にもかかわらずUSDeは安定しており、裏付け資産をベーシスポジションと流動性のある安定した商品の間で動的に調整でき、必要であれば資金調達率が低い期間にはUStbを組み込むかもしれないと指摘した。

さらにエセナは、UStbはバイビット(Bybit)やビットゲット(Bitget)、エセナが今後提携する取引所などの中央集権型取引所に上場する予定で、こうした取引所では、すでに証拠金担保としてUSDeが使用されていると投稿した。

UStbの詳細は今後数週間のうちに明らかになる予定という。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Ryan Quintal/Unsplash、CoinDeskが加工
|原文:Ethena Announces UStb Stablecoin Backed by Blackrock’s BUIDL