マイクロストラテジー、次のビットコイン購入で保有量がグレイスケールのGBTCを上回る可能性
  • マイクロストラテジーのビットコイン保有量は近いうちにグレイスケールを上回る可能性がある。
  • 同社は資本市場を利用して継続的に追加のビットコイン購入資金を調達している。一方、グレイスケールでは1月にアメリカで現物ETFが発売されて以来、大量のビットコイン流出が起きている。

マイクロストラテジー(MicroStrategy)のビットコイン(BTC)保有量は、近いうちにグレイスケール(Grayscale)を上回る可能性がある。

9月20日の規制当局への最新の届出によると、マイクロストラテジーは合計25万2220BTCを保有しており、これは総供給量の上限である2100万BTCの1.2%に相当する。グレイスケールは、1月のアメリカの現物ETF(上場投資信託)の発売前にはビットコイン・トラスト(GBTC)で62万BTC以上を保有していたが、現在はGBTCと新しい低手数料のビットコイン・ミニ・トラスト(BTC)の合計で25万4000BTCをやや上回る量を保有しているにとどまる。

しかし、マイクロストラテジーは最近の資金調達によって得た10億ドル(約1400億円、1ドル140円換算)以上の資金を使わずに残している(使ったことをまだ発表していない可能性もあるが)。おそらく、この資金はさらなるビットコイン購入に使用されることになる。数千BTCが同社のバランスシートに追加され、保有量はグレイスケールをはるかに上回ることになるだろう。

これにより、マイクロストラテジーはビットコインの保有量第5位となり、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)や暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)、ビットコインの考案者とされるサトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)氏、暗号資産取引所コインベース(Coinbase)に次ぐ位置につける。もちろん、重要な違いは、ブラックロックやバイナンス、コインベースが顧客のためにビットコインを保有しているのであり、自社のためではないという点だ。

開始当時はCEOで現在はエグゼクティブ・チェアマンを務めるマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏のリーダーシップの下、マイクロストラテジーは2020年8月にバランスシート上の現金でビットコインの購入を開始した。それ以来、同社は資本市場を積極的に活用して数十億ドルを調達し、継続的に保有量を増やしてきた。同社の平均購入価格は3万9000ドルをやや上回る水準で、現在のビットコイン価格は約6万4000ドル(約896万円)。現在の保有量の時価総額は約160億ドル(約2兆2400億円)に上る。

ファンドを通じてビットコインへの一般アクセスの先駆けとなったグレイスケールは、現物ETFへの転換後もGBTCの手数料を全競合他社より100ベーシスポイント以上高い1.5%に維持することを選択した。その結果、資産の急速な流出が起きている。はるかに競争力のある0.15%の手数料が設定されたビットコイン・ミニ・トラストは資産を増やすことに成功しているが、先週末時点での保有量は3万3753BTCにとどまっている。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:MicroStrategy’s Next Bitcoin Purchase Is Likely to Take Its Holdings Above Grayscale’s GBTC