暗号資産は株式市場を上回るパフォーマンスを維持:カナコード
  • 暗号資産は今年に入ってからも引き続き株式を上回るパフォーマンスを維持しているとカナコードの報告書は伝えている。
  • カナコードは、インフレヘッジの必要性が低下しているため、ビットコインの優位性は低下するはずだが、現時点では依然として他のリスク資産と同様のパフォーマンスを維持していると述べた。
  • ビットコインが過去のパターンに従うのであれば、半減期後の現在から4月にかけて上昇相場が始まる可能性があるという。

暗号資産(仮想通貨)セクターは今年に入っても株式市場を上回るパフォーマンスを維持しており、ビットコイン(BTC)がそれを牽引していると、ブローカーのカナコード(Canaccord)が9月30日に発表した四半期報告書で述べている。

同社は、世界最大の暗号資産であるビットコインが、前年同期比で約140%上昇して前四半期を終えたと指摘した。同期間において、約60%上昇したイーサリアム(ETH)や、約30%上昇したS&P 500株価指数を上回るパフォーマンスを示した。

ビットコインが過去のパターンに従うのであれば、半減期から6〜12カ月間に上昇し、その後2〜6カ月で最高値を更新する傾向がある。つまり、今から4月までの間は上昇する可能性があるとカナコードは述べている。

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の50ベーシスポイント(bps)の金利引き下げは、株式と暗号資産の両方の価格上昇につながったとカナコードは指摘した。

「このようなシナリオでは、長期的に見て最も健全な暗号資産の反応は、BTCの下落だと考える」と報告書は述べている。インフレヘッジの必要性が低下しているにもかかわらず、イーサリアムやその他の暗号資産が他のリスク資産とともに上昇しているのは、「投資家がより長期的な成長とイノベーションを引き受ける意欲を高めている」ためだという。

ビットコインは今のところ、他のリスク資産と同様の動きを見せており、「低金利環境」にポジティブに反応しているとマイケル・グラハム(Michael Graham)氏率いるアナリストは記している。

BTCとリスク資産の相関性は0.4で、2022年6月の過去最高値0.6からは低下していると報告書は述べている。

今後の利下げのタイミングは不明であるが、4月のビットコイン半減に続く有益な需給動向は、ETF(上場投資信託)からのポジティブな追い風をさらに強める可能性があると報告書は付け加えた。

報告書によると、第3四半期にはステーブルコインの供給量が7%増加している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Ti_ser/Shutterstock
|原文:Cryptocurrencies Continue to Outperform the Stock Market: Canaccord