グレイスケールのビットコイン現物ETF、運用資産が半減しても収益はブラックロックの5倍
  • グレイスケールのGBTCの運用資産残高は、上場投資信託(ETF)となって以来、資金流出によって50%も下落した。
  • それでも、グレイスケールは、ブラックロックのIBITの5倍の利益を上げていることが、CoinDeskの計算で明らかになった。
  • これは、GBTCの経費率がIBITの0.25%に対して1.50%であることによる。

グレイスケール(Grayscale)のビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)は、投資家がより低コストの選択肢を求めて同ETFから資金を引き揚げているにもかかわらず、ライバル企業よりも高い収益を上げている。

グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)は、運用資産残高(AUM)が約140億ドル(約2兆300億円、1ドル=145円換算)で年間約2億500万ドル(約297億2500万円)の収益を上げていることがCoinDeskの計算で明らかになった。この数字は、AUMが約170億ドル(約2兆4650億円)で収益がわずか4250万ドル(約61億6250億円)のライバル企業ブラックロック(BlackRock)のブラックロック・iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)の約5倍だ。

この差異は主に、経費率として知られる手数料に起因する。1月11日にETFの取引が開始される前、顧客獲得を狙う運用会社が価格競争を開始し、その大半が経費率0.40%以下に落ち着いた。ETFに転換される前は信託として存在していたGBTCの経費率は際立っており、転換後の経費率もわずか0.5%ポイント減の1.5%に据えた。

これは、AUMで上位5位までの発行体の中で最低水準であるビットワイズ(Bitwise)のBITBの0.20%と比較するとその差が際立っている。アーク(Ark)のARKBは0.21%、IBITとフィデリティ(Fidelity)FBTCは0.25%だ。

投資家がより低い経費率のプラットフォームを求めて資金を引き出しているにもかかわらず、GBTCの先行優位性により、資金は依然として流入している。金融分析プラットフォームのYChartsによると、1月のAUMは290億ドル(約4兆2050億円)、ビットコインはおよそ60万BTCだった。

グレイスケールのGBTCの運用資産残高(YCharts)
グレイスケールのGBTCの運用資産残高(YCharts)

1株あたり純資産価値(NAV)49.12ドルに発行済み株式数2億7800万株を掛けたところ、その数字は136.5億ドル(約1兆9792億円)に縮小した。現在は約22万ビットコインを保有している。IBITは36万6000ビットコインを保有しており、発行済み株式数は6億4200万株、1株当たりの純資産価値は35.13ドルで、運用資産総額は170億ドル(約2兆4650億円)だ。

グレイスケールのGBTC vs ブラックロックのIBIT(Glassnode)
グレイスケールのGBTC vs ブラックロックのIBIT(Glassnode)

グレースケールとブラックロックは、アメリカの通常の営業時間前に送られたコメント要請のメールに回答していない。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Grayscale’s High ETF Fee Keeps the Cash Flowing In Even as Investors Withdraw