フランクリン・テンプルトン、トークン化MMF対応チェーンにアプトス(Aptos)追加

アプトス(Aptos)は、資産運用大手フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)のトークン化MMF「OnChain U.S. Government Money Market Fund:FOBXX」を取引できるネットワークのラインナップに加わった。

アプトスは、メタ(Meta、旧フェイスブック)が開発を始めたものの中止となった「リブラ(Libra)」、のちに「ディエム(Diem)」と改名したブロックチェーンに由来するレイヤー1ブロックチェーン。

トークン化MMF「FOBXX」は、トークン化MMFとして2番目の規模を誇り、運用資産残高は4億3500万ドル(約626億円、1ドル144円換算)にのぼる。すでにアバランチ(Avalanche)、ステラ(Stellar)、アービトラム(Arbitrum)、ポリゴン(Polygon)で取引可能だ。

アプトスを追加した理由は、そのユニークな特性にあり、またフランクリン・テンプルトンのブロックチェーン統合型記録管理システム「ベンジ(Benji)」が求める厳格な適合基準も満たしていると同社デジタル資産部門責任者ロジャー・ベイストン(Roger Bayston)氏は述べた。1ベンジ(Benji)トークンは、ファンド1口を表す。

DeFiとTradFiのギャップを埋める

アプトスは2022年にローンチした比較的新しいレイヤー1ブロックチェーン。プログラミング言語に「Move」を採用しており、より高速で安全な取引が可能になるとしている。

開発元のアプトス・ラボ(Aptos Labs)は、他のレイヤー1ブロックチェーンと同様に、分散型金融(DeFi)と伝統的な大手金融機関の間のギャップを埋めることをミッションとしてきた。

4月、アプトス・ラボはマイクロソフト、ブレバン・ハワード、SKテレコムと提携し、金融機関のDeFi導入を支援する体制を整えた。

「フランクリン・テンプルトンが、真に分散化され、誰もが利用できる金融の未来を掲げてイノベーションに意欲的に取り組んでいることには、刺激される」とアプトス財団の助成金・エコシステム部門責任者バシャール・ラザール(Bashar Lazaar)氏は述べた。

「そうした未来を実現するには、TradFi(伝統的金融)とDeFiの世界だけでなく、EVM(イーサリアム仮想マシン)と非EVMのネットワークも接続する必要がある。ベンジ・インベストメンツ(Benji Investments)のプラットフォームをアプトス・ネットワークと統合することは、正しい方向への大きな一歩であり、彼らをアプトス・エコシステムに迎え入れることを楽しみにしている」(ラザール氏)

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:アプトス・ラボの創業者、モー・シャイフ(Mo Shaikh)氏とエイブリー・チン(Avery Ching)氏
|原文:Franklin Templeton Adds Aptos Blockchain to Support Tokenized Money Market Fund