コインベース、12月までにEUで未承認のステーブルコインを上場廃止へ
  • 暗号資産取引所コインベースは、12月30日までにEUで未承認のステーブルコインの上場を廃止する計画だ。
  • コインベースは、少なくとも1つのEU加盟国で認可を受けることを企業に求めるEUの暗号資産市場規制法(MiCA)に準拠するため急ぎ対策を行っている。
  • テザー社は、MiCAが同地域で運営を行うステーブルコインにいくつかの複雑さをもたらすとし、こうした課題に対処するために「技術ベースのソリューション」を導入する予定だと述べた。

暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)は、欧州連合(EU)の暗号資産市場規制法(MiCA)に準拠するため、12月までにEUで未承認のステーブルコインの上場を廃止する計画だ。

コインベースは4日にCoinDeskに送った声明で、「当社のコンプライアンスへのコミットメントを考慮し、2024年12月30日までにMiCAの要件を満たさないステーブルコインに関連してEEA(欧州経済領域)ユーザーへのサービス提供を制限する予定だ」と述べた。

CoinGeckoのランキングでバイビット(Bybit)に次ぐ第2位の取引所として評価されているコインベースは、他の企業と同様に、少なくとも1つのEU加盟国で認可を受けることを企業に求めるEUのMiCAに準拠するため急ぎ対策を行っている。ステーブルコインに関する規則は6月30日に施行され、ステーブルコイン発行者がEU加盟国27か国で事業を行うためには、EU加盟国のいずれかで電子マネーライセンスを取得する必要がある。

全てのステーブルコインがEUで必要なライセンスを取得できているわけではない。7月にサークル(Circle)がグローバルなステーブルコイン発行者としては初めてEUで電子マネー機関ライセンスを取得した。サークルは、ステーブルコイン発行者として2番目に規模が大きい。最大のステーブルコイン発行者であるテザー(Tether)は、EUで電子マネーライセンスを持っていない。

テザーは、MiCAの成立に関するEUの取り組みを称賛しつつも、それが同地域で運営されるステーブルコインにいくつかの複雑さをもたらすと指摘。テザーの広報担当者は声明でCoinDeskに対し、「テザーは、構造化された枠組みの確立に向けたEU規制当局の取り組みを称賛する。これはセクター内の成長を促進する上で重要な役割を果たす。しかし、当社が一貫して表明してきたように、MiCAのいくつかの側面は、EUライセンスを取得したステーブルコインの運営をより複雑にし、地域の銀行インフラとステーブルコイン自体の両方に新たなリスクをもたらす可能性がある」と述べた。

広報担当者は、「こうした課題に対処し、地域のユーザーをサポートするために、テザーは技術ベースのソリューションを開発している。これは適切なタイミングで公開され、欧州市場のニーズに合わせた専用のものになるだろう」と説明した。

コインベースは声明で、11月に今回の計画の詳細を発表する予定で、影響を受けるEEAの顧客に対して、サークルのUSDコイン(USDC)やEURコイン(EURC)などの適切な認可を受けた発行者が発行するステーブルコインに切り替えるオプションを提供する予定だと述べた。

今回のコインベースの対応についてのニュースはブルームバーグ(Bloomberg)が最初に報じた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Coinbase to Delist Unauthorized Stablecoins in EU by December