ビットコイン(BTC)は、アメリカの経済指標が相次いで発表される週の月曜日、アジア取引時間早朝に6万4000ドルに迫る勢いを見せた。今週はアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)がFOMC議事録と8月の主要経済指標を発表する。
BTCは3%上昇し、イーサリアム(ETH)からドージコイン(DOGE)まで、主要な暗号資産(仮想通貨)が4%も上昇するなど、市場全体で急騰が起こった。幅広い暗号資産の動向を示すCoinDesk 20指数(CD20)は3.26%上昇した。カエルをテーマにしたペペコイン(PEPE)は14%上昇した。
アメリカ労働統計局(BLS)は今週、9月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)、10月5日までの週の新規失業保険申請件数を発表する。
10月7日のアジア株式市場では、ハイテク株の比重が高いハンセン指数が3%上昇し、韓国のKOSPI指数も1%上昇した。中国の中央銀行である中国人民銀行は、この2週間でいくつかの景気刺激策を発表しており、これがアジア地域の景況感を押し上げている。中国は10月8日の朝(現地時間)に記者会見を開き、さらなる景気刺激策を発表する見通しだ。
ビットテンソル(Bittensor)のTAOは、過去1週間のソーシャルなセンチメントの高まりとAI(人工知能)関連トークンの成長により14%上昇し、時価総額50億ドル(約7500億円、1ドル=150円換算)未満の中規模トークンの上昇を牽引した。CoinGeckoのこのカテゴリーは7.5%上昇し、ニアプロトコル(NEAR)やインターネットコンピューター(ICP)などのAIトークンも上昇している。
週末にかけては、暗号資産トレーダーの間でセンチメントとリスクの高い行動が高まり、ミームコインが上昇した。ソーシャルアプリX上では、ミームが次の暗号資産の強気相場を牽引するという予測、いわゆる「ミームコイン・スーパーサイクル」に関する議論や投稿がトレンドになった。
ソラナ(Solana)ベースのポップキャット(POPCAT)とイーサリアム(Ethereum)ベースのモグ(MOG)は、過去24時間で12%以上上昇し、BNBチェーンベースのサイモンズ・キャット(CAT)は10%上昇した。
小規模なトークンであるGIGA、SPX6900(アメリカのS&P500指数のパロディ)、Fwogは20%以上急騰した。
ネコをテーマにしたミームコインは、以前にCoinDeskが指摘したように、イヌをテーマにしたものよりも優位に立っており、よりリスクの高い賭けの対象として好まれている。
ミームコインへの関心は、レイヤー2やストレージなど、より本格的な暗号資産分野における市場の変動率が低いこと、ベンチャーキャピタルファンドが支援するトークンに対する否定的な感情が高まっていることで生じている。そうしたトークンは、ますます高値となり、個人投資家にとってよくない賭けであると認識されている。
ミームコイン・スーパーサイクルに関する論文を執筆したKaiwen0xという名の市場参加者は、2024年の大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利した場合、アメリカで規制が明確化され、「資本がユーティリティートークンに向かう」可能性があるため、ミームコインには弱気だと指摘している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Nears $64K, ‘Memecoin Supercycle’ Trends as MOG, POPCAT Surge