ビットコインは低調な取引──米国債のボラティリティが急上昇、中国株は下落
  • ビットコインは主要な平均価格で定義された価格帯で低調な取引を続けている。
  • MOVE指数で表される米国債市場のボラティリティの急上昇は、リスク回避につながる可能性がある。
  • 中国株の下落は、アジア株や暗号資産へ資金を流入させる可能性がある。

10月8日の早い時間に、米国債市場のボラティリティの高まりと中国株の大幅な下落の中、ビットコイン(BTC)は主要な平均価格の間で活気のない取引が行われた。

時価総額が最大の暗号資産(仮想通貨)は6万2000ドル台を維持し、ボリンジャーバンド幅(制限のないテクニカルオシレーター)は、6月中旬の下落相場の乱高下を前に見られた水準まで下落した。

ボリンジャーバンドは、資産価格の20日単純移動平均(SMA)の上下に2標準偏差を置いたボラティリティバンドだ。バンドは価格の乱高下の度合いによって変化し、バンド幅が引き締まることはボラティリティの縮小を表し、バンド幅が広がることはボラティリティの爆発を表す。変動が長期間にわたって低い数値を示した後、ボラティリティが急激に高まることがよくある。

しかし、ビットコイン市場では、記事執筆時点ではそのような兆候は見られず、価格は200日単純移動平均の抵抗線である6万3550ドルと、50日SMAの支持線である6万819ドルの間の狭いレンジに留まっていた。

ビットコインは活気のない取引となり、米国債のボラティリティ上昇を示すMOVE指数が急上昇した。(TradingView/CoinDesk)

TradingViewによると、米国債の予想変動率を測定するMOVE指数は10月7日に24%急騰し、1月初旬以来の高値を付けた。

世界的な担保や金融において重要な役割を果たす米国債の変動率が上昇すると、金融引き締めやリスク回避が起こりやすくなる。この状況は米ドルにとって有利であり、株式やビットコインなどのリスク資産には重くのしかかる可能性がある。

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が積極的なハト派政策を取るという考えが薄れたため、ドル指数の抵抗が最も少ない経路は上昇傾向にある。INGによると、ドル指数は今月末までに103まで上昇する可能性がある。記事執筆時点では、指数は102.50前後で安定していた。

中国株が下落

中国の上海総合指数は4.6%下落し、10日間の連騰が終了した。政府による財政刺激策の不足に対する失望が原因である可能性が高い

北京政府は9月下旬に一連の刺激策を発表し、他のアジアの株式市場やビットコインから資本を吸い出すと見られる急激な上昇相場に火をつけた。

そのため、中国株の新たな低迷は資金の流れを逆転させ、他の地域の株式指数や暗号資産価格を支える可能性がある。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Trapped Between 50 and 200-Day Averages as Bond Market Volatility Spikes, China Stocks Slide