暗号資産(仮想通貨)市場は米時間11日、前日の安値から反発し、ビットコイン(BTC)は一時6万3000ドルを回復した(日本時間12日19時頃には、6万2760ドル付近)。投資家は、わずかに上昇したインフレ率に対する懸念をすぐに払拭し、中国の財政政策の最新情報に注目している。
ビットコインは、米消費者物価指数(CPI)が上昇したことを受けて下落した今週の動きに逆行し、10日の5万9000ドルを下回る水準から7%急上昇。当記事執筆時点では24時間で5.5%上昇し、市場ベンチマークのCoinDesk 20 Index(CD20)の4.7%上昇を上回った。
主要アルトコインでは、ソラナ(SOL)、アバランチ(AVAX)、レンダートークン(RNDR)が6〜8%上昇で反発をリードした。CD20で唯一、日次リターンがマイナスとなったのはユニスワップ(UNI)で、独自のレイヤー2計画を発表したことによる前日の上昇分のわずかに失った。
米国の株式市場も上昇した。ダウとS&P500は、今週を記録的な高値で終えた。米ドル指数は、雇用統計が堅調でインフレ率が高かったことを受け、トレーダーがFRB(米連邦準備制度理事会)の追加利下げの可能性を再評価したため、先週急激に上昇した後、103を下回る水準で推移した。
暗号資産関連株も好調な動きとなった。マラソン・ホールディングス、ライオット・プラットフォームズ、ビットディアなどのビットコインマイニング企業は5~10%上昇し、暗号資産取引所大手コインベースは7%上昇して取引を終えた。
ビットコインの保有高が160億ドル近くにのぼるマイクロストラテジーは16%上昇し、2000年3月以来の高値を付けた。同社のビットコイン保有高に対する株価プレミアムも2021年以来、最も拡大した。
中国の最新情報が価格を動かすか
暗号資産価格に影響を与えるマクロ経済要因は、金融政策から米国の選挙の結果へとシフトしていると、コインベースのアナリストは12日のレポートで述べている。
暗号資産のボラティリティの主な要因は、中国の財政政策の最新情報かもしれない。投資家は、低迷する中国経済と金融市場に対するさらなる金融刺激策を予想しており、それが暗号資産市場に波及する可能性があるという。
10x Researchの創業者マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は、最近の米国の経済データは、経済と雇用市場の回復力を示しており、差し迫った不況に対するこれまでの懸念を和らげていると指摘した。
「これは年末にかけてリスク資産が好調に推移する舞台を整えるものであり、暗号資産の価格を押し上げるには、わずかなきっかけで十分かもしれない」と同氏は述べた。
「大きな動きが間近に迫っている可能性が高く、熱心なトレーダーはそれを捉えるのに有利な立場にあるだろう」
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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|原文:Bitcoin Bounces 7% Above $63K as Crypto Traders Eye China Stimulus Statement