15日のアメリカ時間午前、ビットコイン(BTC)価格は「逆さまのV字」を描いた。約3カ月ぶりの高値である6万7800ドル(約1017万円、1ドル150円換算)まで急上昇した後、6万5000ドル台まで急落した。
本記事公開時点で、ビットコインは6万5500ドルで取引されている。過去24時間では0.6%下落しており、わずか1時間前に記録したこの日の高値から3.3%下落している。暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)は過去24時間で1.3%下落しており、構成銘柄の中ではソラナ(SOL)とカルダノ(ADA)がビットコインを下回るパフォーマンスを示している。
今朝の不安定な動きにもかかわらず、ビットコインは過去1週間で8%上昇している。スタンダードチャータード(Standard Chartered)のアナリスト、ジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は15日のメモで、暗号資産に友好的な共和党の大統領候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に関する勢いが続いていることがこの上昇の背景にある可能性があると指摘。前大統領のトランプ氏が11月に勝利する可能性は現在、ポリマーケットで56%だと述べた(本記事執筆時点では56.9%)。これはジョー・バイデン(Joe Biden)氏が民主党候補を辞退して以来、最も高い勝利確率だ。
ケンドリック氏は、「共和党が議会を制するオッズも上昇している」と指摘した。同氏の計算によると、トランプ氏が大統領に当選した場合、共和党が主導する上下両院と協力する確率は70%だ。
ビットコインの過去数週間の上昇は非常に緩やかだったが、今朝の急激な上昇と下落により、過去4時間で1億2700万ドル(約191億円)以上のショートとロングのレバレッジ取引が清算された。
QCPキャピタル(QCP Capital)のトレーダーらは、今週これ以前からのいくつかの要因でこの急上昇が起きたと考えている。QCPキャピタルはTelegramのブロードキャストで、「この上昇は選挙によって引き起こされた可能性がある。当初は共和党のドナルド・トランプ氏が予測市場と世論調査でリードしていたことがきっかけとなり、さらに民主党のカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏が暗号資産規制の枠組みを約束して業界に対するより友好的な姿勢を示したことで後押しされた」と述べた。
QCPキャピタルは、「中国の直近の景気刺激策への失望によって、一部の投機家が資本を中国株からビットコインに戻した可能性がある。これは我々が10月8日に最初に予想したシナリオだ」と説明した。藍仏安財政相は12日の記者会見で、不動産セクターを支援する新たな措置を約束し、政府の借入増加を示唆した。しかし、この発表は期待を下回り、中国関連資産に向けて継続的な資金流出が発生する可能性が低いことを示した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Matt Bowden/Unsplash
|原文:Bitcoin Jumps to Just Shy of $68K Before Quick Plunge Lower